【映画】リーダーの在るべき姿とは!?『頭上の敵機』が問いかけるもの・・・って話

先日、押井守監督の著書『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』を読んだんだけど、その中で紹介されていたのが『頭上の敵機』というアメリカ映画。
名作との評価も高い作品だしオレもタイトルだけは知っていたけど、さすがに観た事は無かった。なにしろ1949年の公開、そこまで古い映画はいくら映画好きなオレでもなかなか手が出ない。
『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』の中では一章を割いてかなり詳しく書かれていたんだけど、この章の副題は「部下を殺すか、自分が毀れるか」・・・。
本の中では単なる戦争映画としてではなく、組織論・リーダー論としてこの映画を取り上げてるんだけど、本を読んだ後で映画の方も俄然観たくなった・・・。
運が良い事にamazonプライム・ビデオで配信してたのでさっそく観てみたぞ。

って事で、今回は1949年の映画『頭上の敵機』を観ての感想を軽く書いてみようか。

 

 

この映画を観てから3日ぐらい経つけど、まだいろいろなシーンが頭の中に残ってる。
先にさっさと一言でオレの感想を言ってしまうと、

名作です!

押井守監督の本のおかげで、この映画を組織論・リーダー論としての視点も持ちながら観たわけだけど、普通に戦争映画として観ても面白いし、人間ドラマとしても充分に鑑賞に堪える出来ばえ。どういうストーリーなのか簡単に紹介すると・・・

第二次大戦中、イギリスに駐留するアメリカ空軍第918爆撃隊。出撃のたびに撃墜されて思うように戦果を挙げられない部隊だけど、司令官のキース・ダヴェンポート大佐は部下から慕われていた。
そこへ作戦を成功させるために新しい司令官フランク・サヴェージ准将が着任。連日のスパルタ訓練、連日の出撃に不満が溜まる部下たち。しかし、訓練の甲斐も有ってどんどん戦果を挙げるようになり、撃墜される機体も減っていく。
そんな時、大規模な作戦に出撃しようとすると・・・

って物語。
紹介文だけ読んでると、甘やかされた爆撃隊に鬼教官がやって来てスパルタ訓練、最初は鬼教官を嫌ってた部下たちもやがて心を開いて・・・ってストーリーを想像するかもだけど・・・

全然違うww

部下たちは最後まで心に葛藤を抱えてるし、鬼の司令官だって最後は自分が毀れてしまう。
押井守の本の中で「部下を殺すか、自分が毀れるか」って書かれてるけど、映画では自分が毀れてしまう結末。
この「最後に自分が毀れてしまう」のが良いんだよな。
ネタバレになるから詳しく書けないけど、ここに人間らしさが現れてる(泣)
なにしろ映画序盤での鬼司令官とラストの毀れた司令官の対比が強烈。同じ一人の人間の変化が凄まじい。
前任の司令官が解任されて着任するわけだけど、着任早々、鬼っぷりを発揮。昼間から基地内のバーでビールを飲んでた前任者の副官をヒラの操縦士に降格。おまけに機体には「腰抜け」のペイントを入れさせる徹底ぶりww
軍服を脱いで無線を聞いてた軍曹も二等兵に降格・・・。

お前は今から一番下っ端の兵隊に降格だ!

これを堂々と面と向かって直接本人に言うんだから凄い。
訓練だって超ハード、部下はヘトヘトで転属願いも続出(というか部下の全員が転属願いを提出)
さすがにこの辺りは鬼司令官も悩むんだけど、そんなものは一瞬ww
あの手この手で部下たちを叱咤激励して日々は過ぎていく。

 

これね、イケイケドンドンのバブル期を知ってるオレと同世代の人間なら大いに共感する人も多いと思うけど、今の若い人だと鬼司令官には反感を抱くかもしれないな。
あの頃とは時代も違うし、求められてるものも違うけど、オレなんかは思うわけ・・・

サヴェージ准将は・・・

理想の上司像!

だって目標・目的を達成するためには何が必要かを考えて、そのためには何をしないといけないかを常に考えてる。
好き嫌いで部下を降格させるんじゃなく、軍の規律に則って処遇だろ。
出撃の時には自らもB17爆撃機に乗り込んで先頭に立つ。

オレならこんな上司に仕えたいww

まぁ、今時の若い人はスパルタ訓練なんかご遠慮願いたいだろうし、上司と四六時中行動を共にするなんて拷問と思うかもだけど・・・。
軍隊も会社も「人間が中に居る」ことは同じ。どちらも組織としてみる事が出来るけど、その組織を維持・発展させるために何が必要なのかリーダーはどう在るべきなのか、そんな事を考えさせられた映画。
まぁ、こういう映画の見方が良いか悪いかは別の問題ww

この映画は爆撃隊の話なので、もちろん空爆だとか戦闘シーンもある。
戦闘シーンや空爆のシーンでは実写のニュース映像が使われてるのも好感。迫力だけは有るけど妙にウソ臭い昨今のCGよりもはるかに臨場感があって良い(この辺は『トラ・トラ・トラ』も同じ)
ちなみに鬼司令官を演じてるのは『ローマの休日』の新聞記者役グレゴリー・ペック。
あの映画とは全然違うオーラでちょっとした驚きだった。この人、不器用そうに見えるけど何気に演技の幅が広くて、『渚にて』では第三次大戦後の孤立した潜水艦艦長、『オーメン』では悪魔の子ダミアンを授かり苦悩する父親を好演してる。
今回、押井守監督の本のおかげで、いつもとは違った視点で映画を観たけど、バブル期のイケイケドンドンの時代を知ってる人には大いにウケそうな映画だった(若い人にも観て欲しいけどww)
ちなみにwikiによると、

1998年に『頭上の敵機』はアメリカ議会図書館アメリカ国立フィルム登録簿に文化的、歴史的、芸術的に顕著な作品として登録されている。アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100にはフランク・サヴェージ准将が候補として選ばれている。

との事。
やっぱり名作なのは間違いない。

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

今の学生はスパルタ教育は喜びませんよww

マサト
マサト

ったく、甘えてるのだわ
この映画を観て勉強して欲しいわ

バイト君
バイト君

勉強になるんですか?

マサト
マサト

そりゃ、気持ちの持ち方次第だろ
頭から否定する姿勢で観てもつまらないだけだわ

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

何が描かれてるのか注意して観ることが肝心^^

バイト君
バイト君

これ、映画でしょww

マサト
マサト

・・・・・・

バイト君
バイト君

映画なんか娯楽なんだから

マサト
マサト

・・・・・・

バイト君
バイト君

難しい事は考えずに観る事が一番!^^

マサト
マサト

・・・・・・

 

ごもっともな話だww
映画は娯楽、あれこれ難しく考えるより、楽しんで向き合う方が良いに決まってる。
そう考えると、この映画の中に組織論だとかリーダー論を見出した押井守監督の着眼点には脱帽だな。

てか、この映画で唯一の気に入らない点は邦題。
『頭上の敵機』ってのは映画の内容にマッチしてないだろ。これだとまるで空爆されるドイツ側の視点に立ってる題名になるじゃないか。主役は空爆する方の爆撃隊なんだから、もうちょっと気の利いた邦題の方が良い気がする。
まさか大傑作の『眼下の敵』を意識した邦題かと思ったけど、あちらは1957年の映画なので『頭上の敵機』の方が先に作られてる。
まぁ、原題のTwelve O’Clock Highだと何が何だかわからないけどなww

 

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