【読書】三島由紀夫の『潮騒』を再読/これは古臭いけど新しい青春小説!って話

本好きの人なら一生のうちに何度か読み返したくなる本、再読したくなる本があるかもだけど、漱石の『坊っちゃん』とか重松清の『とんび』、伊坂幸太郎の『砂漠』なんかはオレの「再読リスト」の上位にランクインしてる。
これらの小説は何度か再読してるけど、先日、懐かしい小説を数十年ぶりに再読した。
何かと言うと三島由紀夫の『潮騒』
初めて読んだのは中学生の頃だったけど、あれから数十年、この歳になって読むとどんな感想を抱くんだろうか・・・。

って事で、今回は三島由紀夫の『潮騒』を再読しての感想を軽く書いてみようか。

 

 

この小説、何度も映画化されてるし三島作品の中でもかなり人気のある小説。
伊勢湾に浮かぶ孤島を舞台にした若い男女の純愛物語。
これね、中学生の時に初めて読んだ時は。なかなかのエロさにクラクラした記憶があるww
そりゃ三島由紀夫が書いてるんだから、そのものズバリのどぎついエロさはないんだけど、何て言うか「抑制された内に秘めるエロさ」みたいなものを感じて、中学生のオレにはなかなかの刺激だった。
で、ひょんな事から三重県に移住して住み始めたのが十数年前。
まさか『潮騒』の舞台となってる島が三重県にあるとは知らなかった。
何年か前にその島を訪れた時の話は、こちら・・・。

【カメラ】三島由紀夫『潮騒』の舞台となった神島へ行って島内一周。疲れてクタクタになった!って話

島の港には、こんなものが建てられて大々的に『潮騒』の舞台となってる事をアピールしてたな。

三島文学
潮騒の地

まぁ、この碑だけじゃなくて、小説の中に登場する灯台だとか監的哨をこの目で見て、けっこう感動したのも事実。
例えば、主人公の新治が魚を届ける灯台。

魚を届ける以外にも登場するんだけど、この灯台へ至るまでの道のりがまさに小説と同じような山道。
テクテク歩きながら小説の中の場面を思い浮かべてみたり・・・。

 

新治と初江が裸で抱き合う場面は、ここ、監的哨・・・。
この小説の中盤のクライマックスともいえるシーンだけど、実際に目にして感動したからなww

他にも長い階段の上にある八代神社だとか、子供たちが西部劇ごっこする石灰岩のある海岸・・・。
小説に登場する建物や自然の景観を実際にこの目で見た感激もあるけど、もっと深い部分では「この島の持つ全体の雰囲気が、『潮騒』に描かれてる空気感、雰囲気を今もなお残してる」点にムチャクチャ感激した(一周するのは大変だったけどww)

 

で、数十年ぶりの再読・・・。
小説の舞台となってる場所を目で見て知った後のオレの感想だけど、これは・・・

青春小説!

裸で抱き合う監的哨の場面、海女たちが乳房を比べ合う場面、中学生の頃はエロく感じたのにこの歳になって読むとエロくもなんともないww
むしろ主人公の純朴さや島の人たちの飾らない生活、素朴さが伝わって来てエロさどころか瑞々しささえ感じる。
この記事を読んでる人は三島由紀夫の『潮騒』に興味がある人、すでに読んだ人、これから読もうと思ってる人だろうけど、念のためにどういう内容なのかを文庫本の裏表紙の紹介文から引用しておくと、

古代の伝説が息づく伊勢湾の小島で、逞しく日焼けした海の若者新治は、目もとの涼しげな少女初江に出会う。にわかに騒ぎだす新治の心。星明りの浜、匂う潮の香、触れ合う唇。嵐の日、島の廃墟で二人きりになるのだが、みずみずしい肉体と恋の行方は――。
困難も不安も、眩しい太陽と海のきらめきに溶けこませ、恩寵的な世界を描いた三島文学の澄明な結晶。

うん、まさに三島文学の澄明な結晶だと思った(いまさらww)
『仮面の告白』『金閣寺』とは異なる、もう一つの三島文学の到達点だな。
いくら中学生だったとはいえ、この小説にエロさを感じて下半身をウズウズさせてたオレが恥ずかしいww

 

素朴な生活を送る島とはいえ、そこはやっぱり様々な人間が居るわけで、中にはいけ好かない人物も出てくる。
こいつのせいで新治と初江は「しなくても良い苦労」をするわけだけど、初江への想いを抱きながら悶々と過ごす新治、どんな苦労にも挫けない新治、新治への想いを胸に強くあろうとする初江・・・

まさに青春小説!

困難に立ち向かう姿は純愛小説の趣きもある。
この二人を見守ってるのが、眩しい太陽と青い海に囲まれた島の自然。
舞台となってる島をこの目で見ているからか、自然を描く三島由紀夫の筆致も素晴らしく思えた(中学生の時は、ただ、ボ~ッと読んでただけかもww)
初読の時はエロい小説と思った『潮騒』、この歳になって読むと全然違った景色が見えた。
もちろん昨今の青春小説みたいな目新しさは無いし、むしろ古臭い設定に思えるかもだけど、この古臭さが・・・

逆に新しい!

なにしろ新治と初江は童貞処女だからなww
今どき、っていうか、今も昔も変わらんだろうけど、ヤリたい盛りの年頃の男女が結婚まで童貞と処女を守るなんて新しすぎる。

 

そうそう、初江が新治の母親とハンドバッグを賭けて鮑獲りの競走をする場面。
ここは何気に良いシーンだな(初読の時は素通りしてた場面だけど)
未読の人も居るかもなので詳細は書かないけど、う~ん、オレも歳をとったせいか、こんな事を思ったぞ・・・。

こんな娘が欲しい!ww

今回、数十年ぶりに『潮騒』を再読したけど、いやぁ、たいへん満足できた一冊。
もちろん「再読リスト」に入れておこうか。
これからも何かの機会に読みたい一冊になった。

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

童貞と処女ww

マサト
マサト

ぁんだよ?

バイト君
バイト君

たしかに純愛小説っぽい匂いがします

マサト
マサト

純愛というか、青春小説!

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

いろんな困難に負けずに愛を成就させる二人がカッコイイわ

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

島の自然と純朴な若者
この小説は美しいのだわ^^

バイト君
バイト君

やけに感動してますねww

マサト
マサト

当たり前!
こういう生活に少し憧れるわ

バイト君
バイト君

童貞と処女?ww

マサト
マサト

・・・・・・

 

ったく、読んでない人間にこの小説の良さを伝えるのは難しいな(オレの説明が下手なだけww)
この小説の後半、キーになる人物がこんな台詞を言う。

「男は気力や。
気力があればええのや。
家柄や財産は二の次や。
そうやないか、奥さん。
新治は気力を持っとるのや」

良い台詞だな。
オレも気力を持ち続けるようにしようと思ったぞ。
まぁ、小説のモチーフとは全然関係ない部分だけどww

 

【カメラ】三島由紀夫『潮騒』の舞台となった神島へ行って島内一周。疲れてクタクタになった!って話
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