その場所は近くて遠い・・・『読書する人だけがたどり着ける場所』を読んだ!って話

もう何年も前から言われてるけど活字離れが進んでるらしい。
まぁ、世間が騒ぐ前にそんな事は肌感覚でわかってたけど・・・。うちの大学生アルバイトを面接する時に必ず訊くのが「好きな本を三冊教えて」って質問。
オレが商売を始めた頃はかろうじて三冊の本を挙げる学生も居たけど、今では三冊どころか一冊も挙げない(言えない)子も居る。そういう子が増えた。もちろんアルバイト採用はしないけどww
酷いのになると平気な顔して「ヤングマガジンです!」って答えた学生もいる。

それは漫画雑誌だろ~が!

ここでって言ったら小説とか詩集、エッセイ、評論、もしくは好きな作家を答えるのが普通の感覚。もはや質問の主旨も理解できない学生も居るんだから、質問したオレの方が頭が痛くなる。国立大学に行くような学生でこれだから、世の中の活字離れはそ~と~なもんだと思ってる。
それこそ日本はどうなるんだ!?って心配になるほどww

って事で、今回は斎藤孝先生の本を読んだ話を簡単に書いてみようか。

テレビでもコメンテーターを務めてるし斎藤先生の事を知ってる人は多いと思うけど、他の芸能人コメンテーターと違って抑制的な話方は大いに好感。何の芸も無い人間が「自称」芸人を名乗って文化人気取りでコメントしてるけど、冷静に聞けば中身の濃度の違いは明らか。
で、先日の事だけど本屋をブラブラしてたら、斎藤先生の本が平積みされてた。
タイトルが刺激的だったので思わず手に取ったぞww
これ・・・。

読書する人だけがたどり着ける場所!

こういうタイトルを見ると中身が気になる。
オレも本はよく読む方だと思ってるけど、「本を読む人がたどり着ける場所」ってのはどういう場所なのか気になる。
もちろん本を読む人・読まない人の違いは何となく分かる(会話の深さとか広がりとか)、だけど具体的にどうなのかは上手く説明できない。
帯には「本物の教養は、読書で身につく」って書かれてるし、本を読む事の大切さを説いてる内容なのは察しがつくけど、本を読めばどこに辿り着くのか・・・。
さっそく買って読んでみた。

 

この本には読書の楽しみ方(本との向き合い方・本の選び方)が書かれていて、本をたくさん読む事の効能がいくつも紹介されてる。逆にいえば「本を読まない事で損してる」という書き方。
背表紙に書かれてる紹介文を引用すると、

「本」を読むからこそ、思考も人間力も深まる
「ネットで情報をとるから本はいらない」という風潮が広がっていますが、それは本当でしょうか?私たちは日々ネットの情報に触れますが、キーワードだけを拾い、まったく深くなっていない、ということも多いのではないでしょうか?
読書だからこそ、「著者の思考力」「幅広い知識」「人生の機微を感じとる力」が身につきます。ネットの時代にあらためて問いたい「読書の効能」と「本の読み方」を紹介します。

もう、この背表紙だけで本書の1/3の内容を書いてるような感じww
たしかに最近の子は何か分からない事があるとすぐにwikiを開いて調べてる。それが悪いとは思わないけど、それだけで終わったら表面を撫でただけで終わりになると思ってる。
例えば学生の子と小説とか映画の話をしてて、知らない小説や映画の話を振るとwikiで調べてる。そりゃ、あらすじは分かるだろうけど、小説や映画の中で描かれてる細かな機微はわからない。上っ面だけを撫でてわかった気になってるだけの子が多い。
この本にはその辺の弊害なんかも丁寧に書かれてた。

 

こういう新書は目次を読むと本の内容が読者に伝わりやすく作られてる事が多いけど、本書も目次を読めば書かれてる内容の枠組みは凡そ伝わる。
ちょっと目次を紹介してみよう(オレが下手にダラダラと説明するより伝わるハズだしww)

序章 なぜ、いま本を読むのか
「ネットでいいじゃん」と思っている人に

第1章 読書をする人だけがたどり着ける「深さ」とは
「深い人」「浅い人」は何が違うか

第2章 深くなる読書 浅くなる読書 何をどう読むか
一流の人の「認識力」を身につける

第3章 思考力を深める本の読み方
読書で思考力を磨く

第4章 知識を深める本の読み方
知識を持つほど世界が広がる理由
新しい本との出合いで知識を広げる

第5章 人格を深める本の読み方
偉大な人の器に触れる

第6章 人生を深める本の読み方
勝ち負けよりも生き方

第7章 難しい本の読み方
あえて本物を選ぼう

各章の中でさらに細かく分かれてるけど、もう目次を読んだだけでどんな内容なのか何となくわかる。後は実際に中身を読んで作者の言わんとする事を頭に入れるだけ。

 

本書の中でアインシュタインの有名な方程式E = mc2について軽く触れている箇所があるんだけど、ここはオレの中で特に印象に残った部分。アインシュタインの伝記じゃなく、この方程式の伝記『E = mc2』(早川文庫)の話の後でこんな文章が続く。

ところがE = mc2にも驚かない人もいます。
「だから何?全然わからない」と切り捨ててしまう人。数式が出て来た時点でももう「無理」と言って知ろうとしない。あるいは「『源氏物語』?古文はつまらない」「x軸とかy軸なんて知らなくても生きていけるし」などと言って深みに入っていこうとしない。
それは、失礼ながら「無教養な人間のやる無作法な態度」というものです。

いやぁ、辛辣!ww

いろいろな事柄に興味を持って本を読んだり体験してる人と話す事は楽しいし、何より自分への刺激にもなる。なので、オレもアルバイトの採用では本を読む子や何かオレの知らない活動をしてる子を採用するけど、それ以外の人がすべて無教養だとは思ってないぞww
本を読む事の効能は何も知識や教養を身につけるだけじゃない。読書で新しい視界が開けたり、自分の生活に何か変化をもたらすかもしれない。

そこが本を読む事でたどり着ける場所!

本書にも書かれてるけど・・・

本を読むのに才能はいらない!

絵を描いたりピアノを弾くわけじゃない、本を読むのには才能は関係ないからな。
本屋に行けば様々な本が置かれてるし、図書館に行けばまさに知の宝庫。行くのが面倒ならamazonでも楽天でもお取り寄せできる時代。
その場所にたどり着く方法はいくらでも有るのに、端からその場所に行こうとしない。
やっぱり近くて遠い場所なんだろうと思ってる。
そういうオレも道半ば。
本だけを読んで生活してるわけじゃないし、読書以外にもやりたい事、やらなきゃいけない事が有る。
まっ、そういう場所を目指すだけでも大切な事なんじゃないかと思ってるけど・・・。

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

たしかに大学生でも本を読まない人は多い

マサト
マサト

だろ!?
オレが学生の頃とは大違いだ

バイト君
バイト君

そうは言ってもwikiで調べれば簡単にわかりますからね~

マサト
マサト

wikiであらすじだけ読んで何が身につくんだ?
面白くも何ともない!

バイト君
バイト君

なんで僕を怒るんですか!

マサト
マサト

目の前に居るからだ^^

バイト君
バイト君

・・・・・・

 

本書の第3章~第7章にはそれぞれオススメの本が10冊ずつ紹介されてるんだけど、なるほどな、どれも好奇心を刺激させられそうな本ばかり。
これらの本、半分も読んでないしちょっと本屋で探してみようかと思ってる。
すぐに読まなくて積読になる可能性もあるけど、まっ、目の前にあればいずれ読むだろww
普段は本を読まない人もこの『読書する人だけがたどり着ける場所』を読めば、読書熱が湧いてくるかもしれない。
てか、元々から本を読まない人がこの本を手に取る可能性は少ないかもしれないけどww

やっぱり近くて遠い場所!ww

 

【読書】夏目漱石の『坊っちゃん』は歳を重ねて読むと景色が違って見える!って話
夏目漱石の『坊っちゃん』を再読。もう何度も読んでる小説だけど、これほど読むたびに読後感の違う小説も少ないんじゃないか。歳をとると共にいろいろ感じ方も変わって『坊っちゃん』の懐の深さに驚かされる。ただの勧善懲悪じゃない、理想と現実を描いた傑作。
教養の高さは会話の抽斗の多さで測れるんじゃないか!?と思ってる・・・って話
本屋で「教養と生きよう」って言う催しをやってた。出版6社が自社のオススメ本を持ち寄って紹介するものだけど、ふと考えたのは、教養って本から得るだけなのか?本を読んでも頭に入れっぱなしはただの「知識」じゃないのか?そもそも教養って何だ?って話。
【読書】粋な男になるための教科書。池波正太郎の『男の作法』は何度も読める名エッセイ!って話
世の中には名エッセイと呼ばれるものがいくつか有るけど、この『男の作法』もその中に一つに数えられる。池波正太郎が語り下ろしたエッセイは昭和59年の文庫化以来、令和まで101刷を誇るロングセラー。粋な男になるための教科書のようなエッセイを再読。
世の中には自己啓発本が溢れてるのに成功してる人が少ない!何故だろう!?って話
世の中には自己啓発本が溢れてる。毎年のベストセラーには必ず自己啓発本が何冊かはランクインしてるし、それだけ読んでる人が多いんだろうけど...何だか成功者って少なくないか?大人社会だってパワハラだセクハラだと嫌な事件が多いし。何故なんだ!?
【読書】これぞ読書の醍醐味!浅田次郎の『蒼穹の昴』全四巻を読んで大満足!って話
浅田次郎の長編小説『蒼穹の昴』全四巻を読了。面白いとは聞いていたけど、いやぁ、ホントに面白かった!清朝末期の激動の時代、架空人物を軸にしてスケール感たっぷりに描いてる。極悪非道のイメージがある西太后やその取り巻きの人物描写も実に人間臭い。
表紙買い!またまた太宰 治の『人間失格』を読んだ!って話
ブラリと入った本屋で表紙買いをしてしまった。太宰治の『人間失格』だ。好みのイラストだったので、ついつい購入・・・それも二冊も(泣)せっかく買ったんだし読んだぞ。これまでに10回は読んでるけどww 読書なんて、読む時期とか年齢によって、感じ方も変わるだろ。って事で、この歳になって感じた事なんかを書いてみた。読みごたえある...
宮本 輝の「泥の河」は、哀切な情景を描いた傑作!
宮本 輝の「泥の河」を読んだ。100頁にも満たない小説だけど、濃密で胸に迫るものがある。昭和30年の大阪、少年と貧しい姉弟の短い交流を哀切な情景の中に描き出して余韻の残る傑作。いやぁ、凄い小説を読んだな。まいりました!

 

コメント

リンク

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 戦うオヤジへ

f:id:masa10t:20181113062414j:plain