【読書】これぞ読書の醍醐味!浅田次郎の『蒼穹の昴』全四巻を読んで大満足!って話

中学高校時代は司馬遼太郎だとか山岡荘八なんかの歴史小説をむさぼるように読んでた。自分の国の歴史を知る事は大事だと思ってるし、まわりにも本好きな友達がたくさん居たからな。そういう友達がたくさん居た事は幸せなことだと思ってる(言い換えると、本を読まない人間は嫌いww)

で、今回の本だけど、実に久々の歴史小説。
普通に常識レベルの日本史・世界史は理解してるつもりだけど、細々とした人間関係の機微なんかは小説やドラマからじゃないと解らない。しかも今回は近代の中国が舞台。ただでさえややこしい国なのに、複雑怪奇な歴史絵巻を相手にオレの脳味噌が酷使されそうな予感も・・・。
読んだ本は、これ。

浅田次郎の『蒼穹の昴』

もちろん人気作家の浅田次郎の事は知ってるし、彼が書いたベストセラー『蒼穹の昴』の事も知ってた。
だけど、読んだ事はなかった。
だって・・・

全四巻!ww

若い頃ならいざしらず、今は仕事も持ってるし何かと多忙。
本を読む事に長い時間をかけるわけにもいかないのだ(他にもやりたい事はあるし)。
面白そうだなとは思っていても、手が出なかったのがこの『蒼穹の昴』ってわけ。
そんなオレがとうとう全四巻を一気に読んでしまった。

って事で、今回は浅田次郎の『蒼穹の昴』の感想を簡単に書いてみようか。




コトの発端はささいな事だった・・・。
先日、Twitterでこういうリプをもらったんだけどね。
送り主は以前にも面白い本を紹介してくれた某先生・・・。

今度は浅田次郎の『蒼穹の昴』をオススメしてくれてる。
うん、この本は評判になってたし、オレも知ってるけど読んでは無い。読んでないというか・・・

敬遠してた!

だって全四巻ww
すると、続けてこんなリプが・・・

絶対に後悔しないとか、かなりプッシュしてきてる。
そこまで言われると、全四巻という長さを敬遠してたオレも気持ちがグラつくだろ。
ウジウジと迷ってるところへ、トドメの一撃が放たれたぞ。

読まずには死ねないレベルの面白さ!

そこまで猛プッシュされたら読まないわけにいかない。
本好きで知られるオレが、そんなに面白い本を読んでないのはオレの沽券にかかわるww
さっそく全四巻をお取り寄せ。

 

 

一週間ちょいで読了したんだけど、何度か徹夜した。
これね、読まなきゃいけないって言う義務感で徹夜したんじゃなくて、読者を引っ張る小説の推進力に引きずられての徹夜。
簡単に言うと・・・

超絶的な吸引力!

話の中に読者を惹き込んで夢中にさせるもんだから、寝る間が惜しくなる。
どんどん話の先を読みたくなるのだ。
結論から言うと、この『蒼穹の昴』って小説・・・

くそ面白い!

スケール感といい人物描写の妙と言い、某公共放送局の大河ドラマをはるかに凌駕してる(もっとも最近の大河ドラマはお子様向けもいいとこなんで、比較する方がおかしいけどww)

 

 

この小説、どういう内容なのかを文庫本一巻の背表紙に書かれてる紹介文から引用すると、

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう・・・中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼馴染みの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作。

って書かれてる。
文庫本の背表紙なんて、たいして面白くもない小説なのにウソを並べ立てて褒めちぎってる紹介文も多いけど、この『蒼穹の昴』に限ってはウソはない。
てか、この紹介文でも小説の良さの半分も伝えきれてないぞ。
そりゃ当たり前だ。これだけのスケールの小説を背表紙の紹介文だけで上手く紹介できるわけない。
春児、文秀という架空の人物(モデルは居る)を中心にして、西太后や李鴻章、袁世凱なんていう実在の人物を絡めた大歴史絵巻。

 

面白いのが実在の人物たちの描写だ。
歴史小説なんで作者(浅田次郎)の歴史観が多分に反映されてるんだけど、たとえば西太后。オレのイメージでは、西太后なんて女は近代稀にみる悪女(日本で言うと、う~ん、豊臣秀吉の側室、淀殿みたいなww)。
この西太后、夫の皇帝を殺し、後を継いだ息子をも殺したという、欲にまみれた強欲ババアのイメージだけど、浅田次郎にかかると西太后にも「人間くささ」のようなものが加わって興味深い人物になってる。そりゃね、歴史上、彼女がやった行為の良し悪しは別にして、そこに至るまでの心理というか苦悩みたいなものが描かれていて退屈しない。
満州族の大皇帝・乾隆帝の霊との対話の場面なんか、普通に読めばオカルト丸出し、有り得ない設定なんだけど、違和感を感じさせないから凄い。

 

西太后を取り巻く人物たちの権謀術数もこの小説に厚みを加えてる。
栄禄(実在する人物)なんて将軍は汚職で何度も追放されながら紫禁城の中心に舞い戻ってくるけど、これなんか今の日本にも似たような政治家は居るだろ。読んでる途中、何度もあの政治家の顔が浮かんできた(国民の生活が第一とか言ってた、あの岩手県の政治家ww)。読んでみると納得してもらえると思うけど、やってる事の本質は同じだ。
宦官にもロクでもない人間は出てくるし、それぞれのエピソードが人間臭くて面白い。

 

西太后と皇帝の対立(実際に対立してるのはその取り巻きたち)を軸にしてるんで、皇帝側にもいろいろな人物が登場する。こちらも実在する人物だけど康有為なんてのは、オレは読んでる途中で反吐が出そうになったぐらい。
出来もしない改革を騒ぎちらし民衆を扇動しておいて、いざ敗色濃厚となるとさっさと逃亡・・・。これもあの政治家を思い出した(旧民主党のあいつ)
まさか浅田次郎が日本の政治家をモデルにして人物設定してるわけないし、要は日本も中国もロクな政治家が居ないって事になるんだけどww

 

そんな感じで一癖も二癖もある人物がウジャウジャ居て、それぞれがそれぞれの思惑で動いてるんだけど、清朝末期の激動の時代、列強各国に翻弄される清朝の中で懸命に生きるのが春児と文秀。
これがね、もう泣かせ所がいろいろ有って・・・

オレは何度か泣いた!(涙)

当時の中国は「眠れる獅子」なんて呼ばれていて、列強に食い物にされながらも東洋の大国の面目は保っていたわけだけど、庶民の生活は惨憺たるもの。
春児なんて都に出て来るまで何をして生きてたかというと糞拾いだぞ。もちろん、そのまま読んだ通りの仕事だ。

ウ〇コ拾い!

拾ってきたウ〇コは肥料や燃料になるから、それを集めては少しばかりの食料と交換してもらって生きてる。今から100年ちょっと前の中国の話だけど、日本だって似たようなもんだろ、農村の娘が人買いに買われていったり・・・。
そういう時代なんだから、それこそ泣ける場面はたくさんだ。
春児が都に出ていく時の妹との別れの場面、文秀が科挙を受ける時の会場の様子、春児と文秀の再会・・・

オレは枕を濡らした!(泣)

清朝末期、激動の時代を西太后vs皇帝富める者vs貧しい者を主軸に壮大な歴史絵巻にしてる小説だった。
で、この小説、ここで終わりじゃない。
wikiによると、浅田次郎は続編として『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』を書いており、これらを含めて『蒼穹の昴シリーズ』とする・・・。
まだまだ春児と文秀の物語は続くそうだ。
このシリーズ、続けてオレが読むかどうだけど、

読むに決まってるだろ!

こんなに面白いシリーズ、途中で投げ出してたまるかよww
そうそう、ドラマ化もされてるようでDVDが発売されているそうだ。シリーズを読破したら映像でも激動の時代を観てみたいと思ってるぞ。



同居人の下書きチェック

同居人
同居人

アンタ、よく一気に読んだのだわ

マサト
マサト

面白かったからな^^
お前も読め!

同居人
同居人

無理!

マサト
マサト

・・・・・・

同居人
同居人

人がたくさん出てくる本は苦手なのだわ^^

マサト
マサト

けど、知ってる名前が多いぞ
西太后とか李鴻章とか袁世凱とか世界史で習ったやろ

同居人
同居人

・・・・・・

マサト
マサト

忘れたのか?

同居人
同居人

習ったかもだけど、覚えてないのだわ^^

マサト
マサト

・・・・・・

 

同居人には小説の前に世界史の教科書を読ませる事にした(泣)
清だの満州族だの言っても今の中国と区別がついてないみたいだし(宦官ってのも知らなかった)
この小説、今の大河ドラマよりも面白い事は自信あるけど、さすがに近代中国の歴史を知らない人間が読んでも面白いと感じるかどうかは自信ないからな。

 

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