ノンフィクション作家の柳田邦男が言ったそうだけど、
絵本には、人生に3度、読むのに良い時期がある。
1度目は子供の時、2度目は子育ての時。
そして3度目が子どもが独立したり、自らが年老いて孤独や病にさいなまれた時。
いやぁ、良い言葉だな。
オレも子供の時には親から絵本を読んでもらった記憶があるけど、子供の居ないオレには絵本を読んで聞かせたって経験が無い。つまり2度目に読むと良い時期がオレには無かった。
まぁ、そんなオレも子供が居たら独立しててもおかしくない歳・・・。
3度目に読むには良い時期って事だ。
そんな事を考えてたら、
無性に絵本を読みたくなった!
2度目に読むと良い時期は経験できなかったけど、3度目に読むのは良い時期に差し掛かってる。
うん、絵本を読もう・・・。
って事で、今回は子供の時以来、およそ半世紀ぶりに絵本を読んだ感想を軽く書いてみようか。
絵本を読みたいといっても、何を選べば良いのかチンプンカンプン。
今さら『赤ずきん』だとか『三匹のこぶた』ってのも何だか抵抗がある。
ウチに通ってる子の保護者に訊いてみたぞ。
この歳で読んでも楽しめる絵本って何かない?
いやぁ、良いものをオススメしてもらった。
どんな絵本かというと、これ・・・
木を植えた男!
ウチの子も小さい時に読んでましたから、ってオススメされたんだけど、うん、これは大人が読んでも充分に楽しめる絵本だった。
元々はジャン・ジオノが書いたフランスの短編小説(1953年)だけど、1987年にフレデリック・バックが短編アニメ化(同年のアカデミー短編アニメ賞)
それを1989年にバックの書き下ろしたイラストで絵本にしたものが本書。
絵本なんだから、もちろん30分もあれば余裕で読めるけど、ここに書かれてる内容はそうとう深い。
この絵本が描いてるのは、主人公の「私」が荒れ果てた荒野で一人の老人と出会ってからの物語。
「私」の回想という形で物語は進んでいくんだけど、この老人は荒野で何をしてるかと言うと・・・
植樹!
誰にも認められない、誰からも褒められない、それでも何年も何年も植樹を続ける老人。
第一次世界大戦前夜から第二次世界大戦後まで、老人は植樹を続けるわけだけど、何もかもが順調に進んだわけじゃない。
1年をかけて植えたカエデが全滅しても、この老人、挫けずに黙々と、淡々と植樹を続ける・・・。
この老人の身の上だとか植樹してる理由も軽く述べられているけど、この物語のキーはそこじゃない。誰かから褒められたい、認められたいという感情とは無縁なこの老人の挫けない姿こそがキーになってる。
老人の植樹によって、かつては荒野だった土地が森になり、廃墟だった村にも新たな入植者が増えて楽しく生活してるというラストだけど、一人の老人が森を再生したことは誰も知らない・・・。
何だか凄い話なので読んだ後は身体がポカポカした(風邪じゃないぞ!)
物語の内容も深いものだったけど、フレデリック・バックのイラストもお洒落で素敵。
こういうタッチのものをパステル調というのか知らないけど、オレが絵本に抱いてたイメージとは違うものだった。

©木を植えた男
この老人の生き方は凄いと思うし、尊敬に値するとも思うけど、う~ん、オレには真似できない。
誰からも認められず、一つの事をコツコツ続けるなんてオレにはとても無理。
欲も得もなく淡々と日々を過ごす・・・真似は出来ないけどちょっと憧れるww
てか、この絵本、子供には少し難しいんじゃなかろうか・・・。
絵本を読むのは幼稚園児ぐらいの年齢だと思うけど、う~ん、小学生低学年レベルぐらいの絵本だと勝手に判断。
まっ、絵を見てるだけでも楽しいけどな。
そうそう、この絵本を読んだ後、思ったんだけど・・・
もしかして実話か!?
って。
気になるからwikiで調べてみたらフィクションだった。
老人のモデルとなった人物も実在しないとか。
アニメを監督したフレデリック・バック自身がアニメの製作途中まで、老人の事を実在しない人物だと知らなかったらしいww
こんな記述もあった。
日本のアニメーション監督で『木を植えた男を読む』の著者でもある高畑勲も実在しないことを知らなかった一人で、1988年にバックと対談したときは『木を植えた男』をまだ事実だと思い込んでいたため、そのことについて話題に出すこともなかった。後に虚構と知って、呆然となったという。
プロのクリエイターが実在するって思いこんでるんだから、オレが実話だと思うのも当然ww
まっ、実話だろうがフィクションだろうが、ちょっと憧れる生き方を描いてる事には変わりない。
半世紀ぶりに絵本を読んだけど、良いものを読んだおかげで絵本熱がメラメラと湧いてきた。
以前から気になってる『つみきのいえ』も絵本で読んでみたいし。
そんなところへ、タイムリーな記事が・・・
葉っぱのフレディ!
こちらも何だか深そうな絵本・・・。
春に生まれて新緑となった葉っぱが紅葉となり落ち葉となり、やかが土に返って木を育てる力になる・・・・そんな葉っぱの一生を描いた本だとか。
気になり過ぎる!
これも大人が読んでも楽しめる絵本なはず。
何だかんだで読みたい絵本がいろいろ出てきたww
しばらく絵本熱がおさまらない予感がしてるぞ。
いつものバイト君の下書きチェック

仕事場に絵本を持って来てるし・・・

ぁんだよ?

マサト塾を幼稚園化ですかww

大人が読んでも楽しめる絵本だわ!

・・・・・・

・・・・・・

マサトさんって、『木を植えた男』っていうよりも

・・・・・・

イメージ的には『三匹のこぶた』なんですけどww

・・・・・・
そりゃ、たしかに痩せてはいないけど、子豚は言い過ぎww
てか、柳田邦男の言う通り、この歳で読む絵本もなかなか良いものだと実感。
残念なのは子供に読んでやる機会がなかった事だな(泣)







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