オレが子供の頃は今のように動画配信なんてあるわけないし、レンタルビデオなんてものがやっと世の中に認知され始めたような時代(ビオデッキを持ってる家もまだ少なかったな)。
そんな時代なんで映画を観るには映画館に行くか、毎日のようにテレビで放映されてた洋画劇場を観るのが関の山。荻昌弘の「月曜ロードショー」、水野晴郎の「水曜ロードショー」、淀川長治の「日曜洋画劇場」なんて番組を家族で観てた記憶がある。世界的に名作とされる映画が放映される事もあって『風と共に去りぬ』とか『ゴッドファーザー』、『フレンチ・コネクション』等のアカデミー賞作品が流される事も多かった(良い映画を観るたびに子供心に感動したり、衝撃を受けたり、放心状態になったりww)
そんな数々の名作の中で『パピヨン』も衝撃を受けた映画の一つ。もちろんスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマン主演の1973年の映画。アンリ・シャリエールの自伝小説(つまり実話)を映画化したもので、フランス領ギアナの刑務所に送られた二人の苦難を描いた大名作。もちろん大人になってDVDも買ったし、たまに観る事もあるけど何度観ても色褪せない傑作。
その『パピヨン』が2017年にリメイクされてるんだけど、Amazonプライム・ビデオで配信されてた。40年の時を超えてのリメイク、どんな映画なのか観てみた。
って事で、今回はリメイク版『パピヨン』の感想を簡単に書いてみようか。
オレがリメイク作品を映画館で観ない理由、いつかも書いた事があるけど・・・
基本的に前作より面白くない!
と思ってるから。
だから『パピヨン』に限らず『猿の惑星』も『戦国自衛隊1549』も映画館では観てない。高い金を出して観なくてもしばらく待ってればAmazonプライム・ビデオなりHuluで配信されるからなww
で、今回の『パピヨン』だけど、う~ん、わりと良く出来てるんじゃないか。
この「わりと良く出来てる」ってのは条件付きで良く出来てるって意味。
どんな条件かというと・・・
前作と比べなければ!ww
前作を知らない or 観たことがないって人がこのリメイク版を観れば、それなりに楽しめる出来ばえだと思うけど、う~ん、前作を知ってるオレはどうしても比べてしまうからな。
その結果、どう感じるかというと・・・
見劣り感!ww
このリメイク版、話の流れは前作の『パピヨン』とほとんど同じ。
それだけに両者の細かな違いがよけいに際立つww
前作もリメイク版も知らない人も居るかもなので、wikiさんから軽くストーリーを引用すると、
アンリ・シャリエールはパピヨンの愛称で知られる金庫破りだったが、全く無関係の殺人事件の犯人として逮捕される。パピヨンにはアリバイがあったにも拘わらず、有罪判決が下され、ギアナで強制労働に従事させられることになる。同地の労働環境は著しく劣悪なもので、脱獄者を出さないための警備も十分なものであった。
ギアナへ向かう船の中で、パピヨンは偽札職人のルイ・ドガに出会う。ルイが大金を体内に隠し持っていることを知ったパピヨンは、脱獄のための資金を得ようとルイに護衛してやると提案するが、ルイは断る。しかし、他の囚人たちがルイを殺害して金を奪い取る機会を窺っていることを知ったルイは、パピヨンに警護を頼むことにする。利害の一致で協力することになった2人だが、その関係はやがて真の友情へと変貌していく。
この辺りは映画の冒頭部分に過ぎないし、佳境なのはギアナの刑務所に到着してから。
でね、どうしても前作と比べてしまうんだけど、いろいろと違いが有る。
たとえば前作と比べるとリメイク版は囚人たちが綺麗な事とかww
南米のギアナ、それも劣悪な環境の刑務所なのに囚人たちが髭も剃って小ざっぱりとした顔なのは妙に落ち着かない。パピヨン役のチャーリー・ハナムは前作のスティーブ・マックイーンと比べると「いいとこの坊ちゃん」風に見えてしまうし、ルイ・ドガを演じるラミ・マレックも前作のダスティン・ホフマンに寄せてるのはわかるんだけど、なんだか人間味の描写が希薄。まぁ、この辺は前作が151分、リメイク版が133分と短いので多少は影響あるかも。
時間が短くなった分、凝縮されてるかというと違うように思う。これは余計な描写だと思ってるけど、パピヨンが2年間も独房に入れられる部分は違いが顕著。前作ではパピヨンの苦しみとか苦難に負けない不屈の闘志をよく表現してた。今回は、独房でのシーンに「訳のわからない回想シーン」が出てくる。
あそこに出てくるピエロは何なんだ!?ww
2年間も独房に入れられてるパピヨン、S・マックイーンは2年間の辛苦をよく表現してるけど、C・ハナムは易々と独房生活を過ごしたような感じ(ちょっとオーバーだけどww)
独房の描き方だって前作とリメイク版ではかなり違う。前作の方が劣悪さが伝わって来るんだよな。
俳優陣は小ざっぱりとして見えるし、刑務所の描写も前作と比べると小奇麗。おまけに訳の分からない回想シーン(付け加えるとラストにも余計なシーンがあった)。
前作と比べるとやっぱり見劣り感は否めない(オレの個人的な感想だからな!)
見劣るからといって観る価値がないとは言ってない。
繰り返すけど、前作と比べなければ充分に及第点を与えられるデキ。
この辺の事はwikiにも書かれていたけど、
映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには108件のレビューがあり、批評家支持率は52%、平均点は10点満点で5.78点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『パピヨン』は数十年前に映像化された物語に見事な捻りを加えており、俳優たちの演技も上手い。しかし、観客から1973年版の記憶を消せるだけの作品にはなっていない。」となっている。
そうなんだよな、このリメイク版は・・・
前作の記憶を消せるだけの作品になってない!
まぁ、これは仕方ないことかもしれないな。
前作が名作・傑作だとどうしてもリメイク版は不利になる。ましてやストーリーの流れも前作と同様ならいろいろ比べられてますます不利。
前作を知らない、観てないって人には大きな余韻を残す映画かもしれないし、それなりに感銘を受けるかもしれないけど、う~ん、オレにはそこまでは無理だった映画。
いつものバイト君の下書きチェック

前の映画と比べたら後発組は不利でしょww
特に名作のリメイクなんだし・・・

そんな事はないぞ
忠臣蔵をみてみろ!

・・・・・・

あれなんか映画・ドラマで何度も映像になってるけど、それぞれ良さがあるだろ^^

・・・・・・

同じ題材でも切り取り方で観てる人の受け止め方も変わるのだわ^^

なにも『パピヨン』と忠臣蔵を並べなくてもww

わかりやすい例なのだww

・・・・・・
そうそう、もう一つ、前作とリメイク版で感じた大きな違いを揚げておくと音楽だな。
前作では巨匠と言ってもよいジェリー・ゴールドスミスが作曲。この曲は誰でも聴いた事があるほどの名曲(アカデミー作曲賞ノミネート)だし、「映画音楽名曲集」みたいなCDに入れられてる事も多い。
リメイク版ではなんだかパッとしない音楽だった。







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