【読書】村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』を古本で再読!古本は一味違うぞ!って話

オレが子供の頃って、日本中に古本屋ってのが有ったと思う。
それこそ俺が住んでた山口県の田舎にも近所に何軒かの古本屋が有ったし、マンガなんかを貸し出してる「貸本屋」ってのも有った。
今じゃ東京の神田ぐらいでしか見かけないかもだけど、当時はいろんな町に古本屋が有ったのだ。まぁ、そういうのも昭和の風景と言ってしまえば終わりなんだけど・・・。
近頃は古本屋って言うとBOOK OFFを想像する人が多いだろうけど、オレの中では古本屋って言うと、小さな店で婆さんが一人で店番をしてるイメージだww

本が好きなので、何か面白い本は無いか?BOOK OFFを覗くことも多いし、ショッピングモールなんかでたまに行われてる「古本市」なんかはには必ず顔を出すようにしてる。
で、今回の話なんだけど、某ショッピングモールの「古本市」で懐かしい本を見つけたのでその話を書いてみよう。




初めてその本を読んだのはオレが中学生か高校生の時。
有名なジャズのスタンダード曲を題名にしてるので、興味を持って読んでみたんだけど、良い意味でも悪い意味でも衝撃だったww
良い本なので人に貸したり(そのまま戻ってこないw)、どこへやったか行方不明になったりで何度か買い直してる本だ。
何の本かというと、記事タイトルにもある通り、これ・・・

村上春樹の短編集・・・
『中国行きのスロウ・ボート』

もちろんソニー・ロリンズの名演で有名な『中国行きのスロウ・ボート』の方が先に発表されてるんだけど、この曲を聴いた村上春樹がこの曲名に合わせて書いた小説が『中国行きのスロウ・ボート』という小説。
この曲についてはサブブログの方で書いてるんで、今回は小説の方の話を少ししてみよう。

秋の夜長は「中国行きのスロウ・ボート」で!(ジャズの名曲だぞ)

でね、どうして読み終わってる本(しかも自宅に持ってる)をわざわざ買ったかと言うと、この古本の奥付を見てみると・・・

昭和63年3月25日の四刷!

昭和だぞ、昭和!

時代は令和だって言うのに、昭和の本・・・。
定価も書かれてるけど360円!ww
オレが初めて読んだ時はハードカバーだったと思うけど、文庫本でこれだけ古いのは初めて見た。

こりゃ、古いなぁ・・・

と思いながら背表紙を見たんだけど、トドメを刺された。
こんな感じになってるんだけどね・・・

あの頃の文庫本って・・・

バーコードが無い!

今の本って、どれも背表紙にはバーコードISBNコードが印刷されてるけど、昭和の時代って無いんだよなぁ。

超懐かしい!ww

好きな本だし、もちろん買うことにした。
お値段は・・・

110円!ww

 

 

 

この本がどういうモノかは、今回買ってきた古本の背表紙から引用してみよう。

そうだった。村上春樹の初めての短編集『中国行きのスロウ・ボート』が安西水丸の洒落たカヴァーで出版されたのは、1983年の初夏のことだった。僕たちは我れ先にと獲り合い、結局、二冊買って、どっちがよけいボロボロにするか、競ったものだった。
あれから三年間、1986年が明けて早々、その文庫本が出た。この小さな書物が、新たなどんな思い出を作ってくれるのだろうか。嵐や小波はいくつかあったけれど、僕たちの大いなる夏は続いている。

って書かれてる。

いやぁ、この背表紙の紹介文は上手い。
最近の本は、「たいして面白くもない」本を「むちゃくちゃ面白いように」ウソを書いてるモノも多いけど、この紹介文は当時の空気感をよく現わしてる。
30年以上も時間が経って、ますますこの文章の良さが解る。

この古本の巻頭には村上春樹自身の言葉も記されていて、

本書には1980年春から1982年夏にかけて発表された七つの短編が年代順に収められている。長編を里程標にすると、『1973年のポンボール』の発表後に最初の四編が書かれ、『羊をめぐる冒険』のあとに後半の三編が書かれた。したがって『カンガルー通信』と『午後の最後の芝生』のあいだには一年近くのブランクがある。
これは僕にとっての最初の短編集である。

書かれてる通り、七つの短編を収めてる村上春樹の最初の短編集だ。
今では押しも押されぬ大作家、ノーベル賞も獲るんじゃないかと言われてる村上春樹だけど、この文庫本が出た当時はまだまだ若手新進気鋭売り出し中ってところだろ。
それを当時の文庫本で再読してみた・・・。

 

 

 

あれこれと感想を書くよりも、今回は表題作『中国行きのスロウ・ボート』に絞って軽く感想を書いてみよう。
感想といっても何度も読んでるし、最初に受けたような衝撃は無いんだけど・・・。

この短編、どんな物語かというと、一人の男性が過去に出会った三人の中国人に想いを馳せるって言うもの。
小学生の時に出会った中国人、大学生の時に出会った中国人、高校の同級生で大人になって再会した中国人・・・。
何がどうって事もない、普通に思い出を語ってるんだけど、これが初読の時には衝撃だった。
だって・・・

何も盛り上がらない!

「僕」という主人公を中心に語られているのに、まるで他人の事を語ってるような空気感、自分の周りの出来事を第三者的に語る「僕」・・・。
うん、中学生のオレには難しかった。

これのどこが面白いんだ?

って思ったし。
さすがにこの歳になるまでに何度も再読してると、この小説の良さも「なんとなく」解って来たような気がしてるけど・・・。
短編なのに妙に哲学的だったり(それも、あからさまに提示してない)、翻訳したような硬い文章、それの良し悪しは置いておいて、それこそが村上春樹なんだよなぁ。
この最初の短編集で、すでに村上春樹の世界が完成してる。

大丈夫、埃さえ払えばまだ食べられる。

 

 

 

そうそう、ソニー・ロリンズの演奏してる『中国行きのスロウ・ボート』はこちら。

むっちゃ名演!

Sonny Rollins – On a Slow Boat to China (1956)

このレコードが欲しくて福岡まで遠征したのも今となっては良い思い出だなww
今回は古本を買った話を書いたけど、電子書籍流行りの昨今、紙の本には紙の本の良さがあると思ってる。
それは・・・

紙の匂い!

こればっかりは電子書籍も真似できないだろ(将来は知らんw)
あの紙の匂いがあると本を読んでるって気がする。




いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

この本、紙が日に焼けてるww

マサト
マサト

仕方ないだろ・・・
昭和の本だし

バイト君
バイト君

持ってる本をわざわざ買うとか・・・

マサト
マサト

奥付とか背表紙に惚れたのだわ
お前、バーコードの付いた奴しか見た事ないだろ~が!

バイト君
バイト君

別にかまいませんけどww
バーコードの有る無しで、本の中身が変わるわけじゃないし

マサト
マサト

・・・・・・

バイト君
バイト君

日に焼けた本を買うなら、新品を買います!

マサト
マサト

・・・・・・

 

っかく、モノの値打ちがわからん奴だなww
そりゃ、中身が変わるわけでもないし、言わんとしてる事は理解するけど・・・
古本ってのは・・・

前の持ち主はどんな人だったのかな

とか

前の人はこの本を読んで何を感じたんだろう

なんて思ってみたりできるのも古本の特権だ。

 

秋の夜長は「中国行きのスロウ・ボート」で!(ジャズの名曲だぞ)
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