荻原浩の『誘拐ラプソディー』・・・本と映画の感想、まとめて書いてみる!って話

荻原浩は懐の深い小説家だと思ってる。
懐が深いってのは、いろいろな小説を書けるって意味。人間ドラマも書くし、タイムトラベルのSF物を書いたりもするし、笑いを誘うような軽妙な文章も得意。
そういう小説家は好きなんで、この本も本屋で見かけた時に買っておいた。
これ・・・。

誘拐ラプソディー!

なかなか面白そうタイトル。
背表紙の紹介文には、こんな文章が書かれてる・・・

伊達秀吉は、金なし家なし女なし、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを、「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張りきったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に・・・。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう・・・。はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。

うん、面白そうじゃないか。
荻原浩の小説なら、まずハズレは無いし、これは読むのが楽しみ。
さっそく積読の仲間入りだ。

って事で、今回は荻原浩の『誘拐ラプソディー』の感想を本と映画の両方、書いてみようか・・・。



この本を買ってきたのは三カ月ぐらい前・・・。
他にも積読はあるし、なかなか手が伸びなかったんだけど、満を持して読み始めたのが一か月前だ。
で、読み終わったのが一昨日。

これ一冊読むのに一ヶ月!ww

もちろん『誘拐ラプソディー』一冊にかかりっきりになってた訳じゃない、途中であれこれ他の本に浮気してた。普通は何か本を読み始めると、それを読み終えるまでは他の本には手を出さないんだけど、今回だけは特別。
この本の感想を一言で書くと・・・

苦労した!ww

途中で他の本に浮気するぐらいだから、よほど面白くないのかと言うと、それは。実際にAmazonのレビューでも高評価だし・・・。
当然、普通に読める水準の文章だと思うけど、この誘拐犯の秀吉、これがオレの性に合わない
特に前半なんだけど、この男・・・

ホントにダメ人間!

自分勝手で小心、そのくせカッとなりやすい。後先の事を考えるよりも、目先の欲望に負けて無茶をして、事後になって後悔・・・。その後悔も長続きしない。
中盤まではこの男のダメっぷりがこれでもかと書かれてるんで、「こういう人間は大嫌い」なオレとしては、どうしてもページをめくる手が遅くなる。よっぽど途中で止めようかと思ったぐらい(実際、何度も止めてるから時間かかったww)
この主人公、オレから見れば魅力的じゃないのだ。だから、ワクワクしながらページをめくるような推進力がない。
小説を読むときに一番大事なのは、読者を引っ張る推進力が有るかどうか、だと思ってるので、嫌いなタイプの人間が主人公のこの小説、そりゃ読むのに苦労するのは当たり前ww

 

 

とは言っても苦労したのは半分まで。
文庫本の半分までをおよそ一ヶ月かけて読んで、残り半分を一日で読んだww
さすがに荻原浩、ちゃんと泣かせ所もあるし大爆笑させるような箇所も随所にある。後半からはテンポよく読む事が出来た。
まぁ、主人公のダメ人間ぶりは変わらないけど・・・。
ドタバタ劇を上手くまとめて大団円、最後はそれなりに盛り上げてるし、う~ん、水準は確保してる小説(荻原浩にしてはちょっと低いけど)。
で、読み終わって思ったのは・・・

これって映画かドラマになってないか?

この小説のドタバタ、後半の泣かせ所・・・いかにも映像向きだと思ったからな。
念のために探してみたら有ったww
2010年に高橋克典主演で映画化されてたぞ(全然、知らなかった)。

読後の熱が冷めないうちに映画の方も観てみようじゃないか!

読後、すぐにAmazonプライム・ビデオで鑑賞してみた・・・。

 

荻原浩の映像化作品といえば、まず思い浮かぶのは『明日の記憶』
若年性アルツハイマーに罹る敏腕サラリーマンを渡辺謙が熱演してた。この映画は同居人と二人で映画館で観たけど、同居人なんか号泣してたからなww
間違いなく小説も映画も感動作。
他にはテレビドラマ『僕たちの戦争』ってのも印象深い。
戦争中の軍国少年と現代の若者が入れ替わるというタイムトリップ物だけど、主人公の若者を森山未來が大熱演。小説も素晴らしいデキだったけど、ドラマの方も傑作といえるレベルに仕上がってた。

 

で、今回の『誘拐ラプソディー』だけど、主演は高橋克典。
こう言っちゃなんだけど・・・

男前すぎないか?ww

小説の中の主人公は、前科3犯の小心なコソ泥だぞ。
なんだか小説の中のイメージと合わないんだよなぁ・・・。
誘拐される子供の父親も重要な役どころなんだけど、これを演じてるのは哀川翔。
う~ん・・・

Vシネマみたい!ww

刑事を演じてるのは船越英一郎だ。
もう、なんて言うか・・・

火曜サスペンス劇場か!?ww

って思ってしまう。
まぁ、配役の良し悪しは観る側の好みもあるだろうけど、誘拐犯が高橋克典ってのはなぁ、なんかシックリ来ない。
とは言っても、映画の方は小説に沿って丁寧に作られてる印象。若干の違い(映画ではチャイニーズマフィアは出てこない等)は有るものの、概ね小説通りに進行。
普通にエンターテイメントとして観るぶんには何の不足もない出来ばえだった。
この『誘拐ラプソディー』、わざわざ時間を割いて、気合いを入れて読むような本じゃないし(軽いしww)、映画の方だって「さぁ、これから映画を観るぞ!」と気合いを入れて観るような映画じゃない。
時間が余ってる時、何か軽く読もうかな暇つぶしに何か映画でも観ようか、って時にはピッタリの作品。
そこそこの水準だし、面白いんだけど・・・

それだけの作品だったww

後には何も残らないって事(オレの場合)
ただ、この映画もAmazonのレビューでは評価が高い・・・。
きっと、オレの感覚がズレてるんだろうな(泣)




いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

荻原さんの作品にしては低評価ww

マサト
マサト

まぁ、今回は主人公に感情移入出来なかったからな

バイト君
バイト君

映画の方も芳しくないと?ww

マサト
マサト

う~ん、演技力は認めるけど、なにしろ哀川翔も船越英一郎も役柄に色が付き過ぎてるだろ
いつも似たような役だし・・・

バイト君
バイト君

なるほど・・・

マサト
マサト

イメージをぶち破るような演技だと良かったんだけど・・・

バイト君
バイト君

そうじゃないと?

マサト
マサト

いつも見てる演技の延長だったww

バイト君
バイト君

・・・・・・

 

まぁ、辛口なのは「それだけ期待してた」って事の裏返し。
オレが配役を決めるようなエライ立場なら、哀川翔には気の弱いサラリーマンなんかを演じてもらうし、船越英一郎には極悪非道な殺人犯なんかを演じて欲しいけどな。
二人ともそれぐらいの実力は持ってると思ってるぞ。

そうそう、『誘拐ラプソディー』で誘拐される子役(林遼威)なんだけど、この子は可愛かったな。
今は芸能活動はやってないらしいけど、こういう子が大人になってどんな演技を見せるのか見たかった・・・と思ってる。

 

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