【読書】浦賀和宏さんが41歳の若さで逝去/積読の中から『彼女のため生まれた』を読んでご冥福を祈る!って話

このブログでも何度か取り上げた事のある浦賀和宏さん、「もっと売れても不思議じゃない作家」と思ってるし、ブログでお気に入りの小説を紹介したことある。
好きな作家なので今でも何冊か買って来てるし、積読になったまま読まれるのを待機・・・。
で、その浦賀和宏さんだけど、なんと2020年の2月に脳出血のために逝去されてた。
いやぁ、全然知らなかった(泣)
ちょっと調べものをする事があってニュースサイトを検索して初めて知った・・・。
まだ41歳だったというし、41歳なんてこれから小説家として油がのってくる時期。残念で仕方ない・・・。

浦賀和宏さんのご冥福を祈る意味でも、ここは彼の小説を一冊読んでおこうと思ったんだけど、積読の中から『彼女のため生まれた』を抜き出してきた。
って事で、今回は浦賀和宏さんの『彼女のため生まれた』を読んでみての感想を書いてみようか。

 

 

これまでにも何冊か浦賀和宏さんの小説は読んでるけど、彼の何が好きかって・・・

独特の世界観!

ミステリ―、SF、青春小説が混ざり合ったような作風、人肉食や同性愛、近親相姦等々のタブーに触れる内容、とにかく間口が広い作家。
骨格はミステリーだけど、そこにSF要素が加えられていたり、青春小説の趣きであったり、または昨今流行のイヤミスのような読後感を与えるものも・・・。
メフィスト賞を受賞してデビューしてるんだけど、このメフィスト賞ってのは癖のある作家の登竜門的な賞で(過去には京極夏彦、森博嗣、乾くるみが受賞)、オレ的には江戸川乱歩賞よりも重要度が高いww

で、積読の中から引っ張り出してきたのが、これ・・・。

『彼女のため生まれた』という文庫本。
なにしろ買って来てから2年近く積読の中に埋もれてたので若干くたびれ感はあるけど未読。
浦賀和宏さんの作品にはシリーズになってる作品も多くて、安藤直樹シリーズ、桑原銀次郎シリーズ、松浦純菜・八木剛士シリーズがあるけど、こちらは桑原銀次郎シリーズの第二作。シリーズ第一作の『彼女の血が溶けてゆく』が超面白かったので第二作を買ってきたもののそのまま積読になってた。
このシリーズは青春小説でもなければSF要素もない、純粋にミステリー仕立て。もちろん浦賀和宏さんの世界観は健在で、超絶的に嫌な奴も出てくるし、もろ手を挙げて拍手するようなハッピーエンドでもない(そこが現実の社会と同じで面白いんだけどな)
シリーズ物だけど単体で読んでも充分に楽しめる内容。
この小説、どういう話なのかを文庫本の背表紙の紹介文から引用すると、

母親を高校の同級生・渡部に殺されたライターの銀次郎。犯行後自殺した犯人の遺書には、高校の頃、銀次郎が原因で自殺した女生徒の恨みを晴らすためと書かれていた。なぜ母は殺されたのか。母の死の真相と身に覚えのない汚名を晴らすため、奔走する彼を次々と襲う衝撃の真実。どんでん返しの連続に、一時も目が離せない傑作ミステリ!

前作では元妻の起こした医療ミス事件で奔走する銀次郎を描いていたけど、今作では高校の同級生に母親を殺されてしまう。15年前に銀次郎が原因で自殺した女生徒の恨みを晴らすため・・・。身に覚えのない濡れ衣を晴らすために奮闘する銀次郎を描いてるんだけど、さすが浦賀作品、ただのミステリ―で終わってない。
加害者の家族、被害者家族の心情、マスコミの報道で加熱する大衆心理、顔の見えないネットでの誹謗中傷、別れた妻との感情の行き違い、兄嫁との微妙な関係・・・いろんなものが詰め込まれてる。
そして、どんでん返しの連続・・・。

超面白かった!

胸くその悪くなるような嫌な奴、応援してあげたくなるような登場人物、まさに実社会が凝縮されてるような感覚(実社会にも様々な人間が居るだろ)
オレがミステリ―を評価する時に重視してるのは「推進力がある小説かどうか」って事だけど、この小説は間違いなく推進力がある小説。後半に進むにつれて加速度的に面白い。
犯人の動機は何か、黒幕は居るのか、女生徒の自殺の原因、事件の背後には何が隠されているのか・・・次から次に出てくる謎はRPGをやってるような感覚に似てるかもww
で、ネタバレしない程度に結末を書くと、この小説は・・・

狂ったババアの犯罪!

キ〇ガイとしか思えないババア!

動機も狂ってるし、犯行の手口も狂ってる。
もうね何もかもが狂ってるとしか思えない・・・。
結末まで読むとタイトルの意味も解って、いやはや、凄い小説だった。
ラストに至るまでのどんでん返しの波状攻撃にも大満足ww
まぁ、今の世の中、ワイドショーでは似たような狂った人間の犯罪を毎日のように報道してるし、ここに描かれてる事を絵空事と笑ってられない気もするけどな。

 

浦賀和宏さんの作品はシリーズもの以外にも単体の小説がいくつも出版されてるけど、もちろんそれらも読みごたえ充分な作品ばかり。
『こわれもの』『眠りの牢獄』『彼女は存在しない』なんて徹夜で読んだぐらい推進力のある傑作。
まだ浦賀作品に触れてない人はシリーズ物じゃない作品から手に取ってみるのも良いかも。
きっと独特の世界観に衝撃を受けるはず(それを気に入るかどうかは知らんけどww)

ブクログマサトの本棚ははこちら・・・

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

ファンなのに亡くなってたの知らなかったんですか?

マサト
マサト

うむ・・・
まだ若いし、いつでも読めると思って積読になってたわ
まさか亡くなってたとは(泣)

バイト君
バイト君

亡くなったの去年じゃないですか

マサト
マサト

ご冥福を祈る意味で積読から引っ張り出して読んだわ

バイト君
バイト君

で、満足しました?

マサト
マサト

大満足!
やっぱり浦賀作品は凄いわ

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

お前も読め!

バイト君
バイト君

前に一冊読んだけど、あの世界観はちょっと僕には合わないです

マサト
マサト

・・・・・・

 

まぁ、世界観が合わないものは仕方ないか・・・。
そうそう、冒頭でメフィスト賞と江戸川乱歩賞に少し触れたけど、誰かが書いてたな。
江戸川乱歩賞の受賞作家って甲子園の優勝投手みたいなもんだって・・・。
それなりに騒がれるけど、

誰もが大成するわけじゃない!ww

てか、これから先、浦賀和宏の新作が出ないのかと思うと残念でならない。

 

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