【読書】救いのない物語『イノセント・デイズ』を読んで胸くそが悪くなった!って話

久しぶりにミステリーを読みたくなった。
いろいろと名作・話題作は読んでるけど、最近は何が話題になってるのかわからない。こういう時に役に立つのがネットの検索。
「ミステリ―/話題作/どんでん返し」なんていう言葉を並べて検索してみると面白そうな本がいくつか出てきた。オレがミステリ―から離れてる間にも様々な話題作が出版されてるようで、どれを読もうかしばし思案・・・。
で、一番面白そうな本をamazonで買って読んでみた。

って事で、今回は久々に読んだミステリ―の話を書いてみようか。

 

 

オレがミステリ―を選ぶ時に重視してるのは「どんでん返し」「伏線の回収」「社会性」
この「社会性」ってのは現実に起こりそうなミステリ―かどうか、って事。いくら凄い謎解きでも現実世界では起こりえないような大がかりなトリックを使ったものは好みじゃない(一時期の本格もの)。
で、この本を選んだ決め手はレビューに概ね高評価が並んでたし、「感動した」って言葉を見たから・・・。ミステリーの評価で「ビックリした」「たまげた」「トリックに衝撃を受けた」ってのはよく聴くけど、「感動した」って評価は珍しい。
どんな内容で感動するのか興味が出てきたぞ。
そんな訳で読んでみたのが、これ・・・。

早見和真『イノセント・デイズ』

この作者の事は全然知らなかったけど、本書は2015年に第68回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門を受賞してるそうだし、2018年にはWOWOWで連続ドラマ化してるとのこと。
期待に胸を膨らませて読んでみた・・・。

 

で、読んでみた感想を一言で書いてしまうと、
この小説・・・

胸くそ悪い!

そりゃ、世の中にはイヤミスって言葉もあるし、そういう小説が昨今はマニア受けしてる事も知ってるけど、う~ん、それらとも違うような雰囲気。
イヤミスってのは「読後、イヤな気分になるミステリ―」の事だけど、簡単にイヤミスで片づけられない何かがあるような。
どんなストーリーなのかを文庫本の背表紙から引用すると、

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

一人の女死刑囚を巡って、関わりのあった人間たちが女死刑囚について様々な想いを抱き、また活動を始めたり、または忘れようとしたり・・・過去と現在が交互に描かれてる。
これは貫井徳郎の『愚行録』と似たような構成。
一人の死刑囚の人生を、関わりのあった人たちが浮き彫りにしていく構成なんだけど、最大の謎は「彼女は本当に犯人なのか?」って事。
その謎を孕んだまま、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人の章が進む。
で、何が胸くそ悪くさせるかというと・・・

登場人物に

ロクなのが居ない!

この手の小説にありがちだけど、中学時代のイジメの描写なんて超ムカつくし(女子中学生のイジメは男子より陰湿だと思ってる)、再審請求させようと奔走する幼馴染みの弁護士も何だか自己満足男に見えてしまう。
極めつけはこの女死刑囚本人。ここに描かれてる生い立ちは大いに同情できるものだし、気の毒だとは思うけど、どうにもこうにもこの主人公の行動が理解できなかった。
以下、軽くネタバレになるけど、中学時代の強盗致傷事件の身代わり、元恋人からの暴力・・・それらに対処する主人公の行動は・・・

普通じゃないだろ!ww

実際の現実世界にはこの女死刑囚のように気の毒な生い立ちの人も居るだろうけど、この小説の描き方は「可哀そうでしょ」って押し付けられてるようで気分が滅入る。
可哀そうなだけならまだしも、主人公の行動が理解できないんだからオレが感情移入なんか出来るわけない。

 

途中まではグイグイ引っ張る内容で、まさに推進力のある小説。
気の毒な子供時代、中学時代のイジメ・・・これから物語はどうなるのかページをめくる手は止まらないんだけど、元恋人からいいように利用されて暴力を受けるあたりからページをめくる手もペースダウン。
こう言っちゃ悪いけど、思ったもんな・・・

この女、馬鹿か!?

感情移入どころか、主人公をはじめとする登場人物たちにイライラww
もう、気になるのは一点だけだ。

この死刑囚が犯人なのかどうか!?

って事。
最後の最後、伏線らしきものが回収されて真相が明らかになるんだけど、う~ん、これも好みじゃない。
前半のジメジメした重厚さと比べると、なんだか安っぽい真相(そもそも地域でも評判の不良がそんなに簡単に改心するとは思えないww)
で、気になるのは既に死刑判決が確定してる主人公。
死刑が執行されるのが先か、真相が明らかになるのが先か・・・。
細かい事は書かないけど、最後の最後まで嫌な気分にさせてくれた小説だった。
てか、この小説のカバーだけど、WOWOWでドラマ化されたのを機にこんなものに変更されてた。

ここに描かれてる文字・・・

読後、あまりの衝撃

3日ほど寝込みました・・・

これって衝撃なのかな。
もちろん描かれてる内容はキツイけど、オレは衝撃云々の前に感情移入出来なかった点でかなり評価は落ちる。
ましてや感動なんて出来ない。
まぁ、オレが鈍感人間だから感動しなかっただけなんだろうけどww
ネタバレになるけど、この小説は・・・

自殺願望のある女が粛々と死刑判決を受け入れて死ぬ話

としか読めなかった。
貫井徳郎の『慟哭』のような衝撃も、松本清張の『砂の器』のような人間ドラマも無く、ただイヤな読後感だけが残った一冊。
まっ、こういうのが好きな人が居る事は理解してるし、それを否定はしないけど、オレには合わなかった・・・。

 

 

同居人の下書きチェック

同居人
同居人

ドラマ化してるなら観てみたいのだわ^^

マサト
マサト

多分、面白くないぞ
気分はドンヨリするんじゃないか?

同居人
同居人

妻夫木クンが出てるし、観たいのだわ!

マサト
マサト

妻夫木なら何でも良いのかよ!?

同居人
同居人

良いのだわ!^^

マサト
マサト

・・・・・・

 

WOWOWはわりと良質なドラマを作ってるし、これまでにもいくつか観たけど、う~ん、これは観る気がしないww
そもそもこの小説の登場人物、妻夫木クンに合いそうな役は無いだろ。
とは言うものの気になるからwikiで調べてみたけど、まさかの役だった。
やっぱり観ないでおこうww

 

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