【映画】ゲイ視点で観る『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』

スパイ小説やら戦争映画、昔からいろんな娯楽作品で取り上げられてる「小道具」エニグマってのがある。
第二次大戦中にドイツが使用してたエニグマ(暗号機)の事だけど、この暗号を解くために連合国がスパイを送り込んだり、暗号機を盗み出したり・・・まぁ、そんな小説やら映画がいろいろ有った。有名どころだとマイケル・バー・ゾウハー『エニグマ奇襲指令』なんてのが有ったな。

で、このエニグマ、実際にドイツが使用してた暗号機なんだけど、戦争中、ドイツ軍に苦戦していたイギリスが暗号解読に成功したってのも事実。
サスペンス映画みたいにスパイが活躍して暗号の秘密を解いたんじゃなくて、政府機関で暗号解読のチームがエニグマの暗号を解いたんだけど、そのチームの中心人物がアラン・チューリング
チューリング・マシンって言葉が有るように、現在のコンピューターの原型を作ったとも言える人物で、コンピュータ―界の巨人。実際にコンピューターの誕生に重要な役割を果たしてるし、昨今流行りの人工知能の父とも言われる人物だ。

その彼を主人公に描いたのが映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
この映画の事は知ってたんだけど、あいにく観てなかった・・・。
それが先日、Amazonプライム・ビデオで配信されてたんでさっそく観てみた。
って事で、今回は映画『イミテーション・ゲーム~』の話を書いてみようか。



この映画、オレの知る限りわりと史実に忠実に描かれてるような気がする。
いつものようにストーリーを軽く引用すると・・・

第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。 ~Yahoo 映画~

って事なんだけど、ここに恋愛やらチーム内の軋轢も描かれているわけで、サスペンス一辺倒の映画になってない。
でね、オレが一番印象に残ってるのは、少年時代のチューリング
寄宿学校での少年時代の思い出のシーンが有るんだけど、

これが、なかなか・・・

なかなか、どうなんだよ?
って聞かれそうなんだけど、この少年時代のシーンはアラン・チューリングの嗜好を示す上で絶妙。
嗜好ってなんだよ?って事だけど・・・

同性愛嗜好!

これね、オレみたいなバイセクシャルとかゲイの人が観たら、なんとなく感じるだろうな。

この主人公、ゲイじゃないのか?

まぁ、ノンケの人が観たら、ただの変わり者って思うかもしれないけど、この辺りの匙加減が実に上手い。
そういう方面に敏感な人間が観れば、なんていうかゲイ疑惑を抱かせるような描写だ。
もちろん、この段階ではチューリングゲイって事は明かされない。
というか、大人のチューリングを演じてるベネディクト・カンバーバッチよりも、思春期の少年を演じてるアレックス・ロウザーの方が印象に残ってたりするww

可愛いすぎる!

 

映画の前半部分、警察署で尋問されるチューリング
彼がどうして警察署で尋問されてるのか、観てる者には解らない。
映画は始まったばかりだし、観てる者にはチューリングがどんな人間なのかも分からないからな。
やがて、映画の後半で明らかになるのが、「同性愛の罪」(風俗壊乱罪)で逮捕されてる、ってのが解るんだけど・・・。
すごい時代だな、同性愛の罪ってので逮捕される時代がイギリスに有ったんだからな。1952年の事だから、戦後だぞ。
そんな時代に同性愛の罪って・・・。

 

自分がゲイで有る事を自覚しながらも、それを隠して生きるチューリング、そういう目で見ると、この映画は人間ドラマとも言える。
周りからは変わり者と言われようと自分の研究に自信を持つ姿、ゲイである事を自分自身で否定したいがために女性と結婚しようとする姿・・・。
なかなか奥が深い映画だ。
てか、素直に思ったんだけど・・・

あの時代のイギリスに生まれなくて良かった!ww

チューリングが逮捕されたのは、街で男娼を買ったとかいう容疑だけど、そんなもんで逮捕されてたら、オレなんか逮捕されっぱなしだろ(泣)

 

この映画、MI6なんていうスパイ機関も出てくるし、チームの中にソ連のスパイが居たり、サスペンス要素も充分。
そこへ男女間の恋愛、確執から団結へと変わるチームを描いて人間ドラマの要素も加味してる。
そしてトドメがチューリング同性愛・・・。

一筋縄でいかない映画!

今でこそLGBTだの何だのっていろんな運動もあるけど、ホント、今の時代に生まれて良かったと実感だ。

 

チューリングは保護観察となった後、ホルモン療法を受けるんだけど、1954年「青酸カリ入りのリンゴ」を食べて自殺してしまう。
彼が41歳の時の事だけどね。
この映画・・・まぁ、後味は良いも悪いもない。
歴史モノとして観れば、こういう事が有ったんだな、って思わせてくれる映画だし、サスペンスとして観れば、なかなかドキドキさせてくれる要素もある映画だ。
人間ドラマとして観れば、自分の性的嗜好に真っ向から向き合う事を許されず、自ら命を断った天才数学者の生涯を描いた映画ともいえる。

 

そうそう、みんな大好きなアップル
アップルってのは、アメリカの大手コンピューター会社のことだけど・・・
あの会社のロゴマーク、これだよね。

かじられたリンゴ・・・。
これは、チューリングが自殺した時にかじったリンゴをモチーフにしてる、って説が有る。
ホントかウソか知らんけどww




いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

チューリングがゲイなのは有名でしょ!
知らなかったんですか!?

マサト
マサト

そんな事まで知るわけないだろ・・・

バイト君
バイト君

ちなみにアスペルガー症候群の疑いもあったそうです・・・

マサト
マサト

やけに詳しいな・・・

バイト君
バイト君

伝記も出てるから読んで下さい!

マサト
マサト

・・・・・・

 

2009年、イギリスのブラウン首相が、戦後の英政府によるチューリングへの扱いについて、公式に謝罪したそうだ。

最後に、この映画の興行面での成績をwikiさんから引用しておこうか。

映画は2014年11月14日にイギリスで、11月28日にアメリカで、2015年3月13日に日本で公開された。
第87回アカデミー賞では作品賞、監督賞(ティルドゥム)、主演男優賞(カンバーバッチ)、助演女優賞(キーラ・ナイトレイ)を含めた8部門で候補に上がり、ムーアに脚色賞をもたらした。第72回ゴールデングローブ賞では5部門、第21回全米映画俳優組合賞では3部門、第68回英国アカデミー賞では9部門にノミネートされた。
また本作の製作関係者はチューリングの功績を広く知らしめたことでLGBT権利の推進団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(英語版)によって表彰された。1400万ドルの予算に対し、映画の興行収入は2015年3月までに2億850万ドルに上り、2014年のインディペンデント映画としては最高の売り上げを収めている。

 

現在のコンピューターの基礎を作ったとも言えるチューリングを描いた映画、なかなか奥が深い映画だった。

 

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