【映画】ブラックな結末『帰ってきたヒトラー』は笑えない風刺映画・・・って話

何年か前は、本屋に行くとこの本が平積みされているのをよく見た。
けっこう売れてるらしくて、いろんなメディアでも取り上げられてた。
その本が『帰ってきたヒトラー』なんだけど、他に読む本も溜まってたし、とうとうこの本は読まなかった。
ただ、平積みされてる表紙を見て思ったのは・・・

センスのある表紙やんか!

こういう表紙だけどね。

帰ってきたヒトラー 上下合本版 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 上下合本版 (河出文庫)

特徴のある口ひげの部分に原題のEr ist wieder da「彼が帰ってきた」を使うあたり、これをデザインした人のセンスを感じる。
タイトルの『帰ってきたヒトラー』って文字が無くても、このヘアスタイルと口ひげで、ヒトラーの事か!?って解るデザインは秀逸。
この本が発表されたのは2012年らしいけど、本国ドイツではベストセラーになったようだし、日本でもかなりの売れ行き・・・。

いずれ映画化されそうだな・・・

と思ってたら、もう映画化されてた!ww
昨夜、Amazonプライム・ビデオの中を漁ってたら、もうプライム・ビデオで公開されてた。
映画は2015年の公開だから、出版してすぐに映画化されたんだな。

評判になった本だし、どんな映画なのか気になる。
これは観るしかないだろ・・・。
原作は読んでないけど、その分、頭を真っ白な状態にして観れる。

って事で、今回は予備知識を持たずに映画『帰ってきたヒトラー』を観てみた、って話。

 

さっさと結論から書くと・・・

面白い!

面白いってのは、ゲラゲラ笑うって意味じゃなくて、映画として面白い!って意味だ。主人公を演じる俳優がヒトラーに似てるかどうかはともかく、映画としてはなかなかの高水準な出来ばえ。

この映画をコメディとして取り上げてる人も居るけど、う~ん、コメディと言うよりはブラックな風刺映画と言えるんじゃないか・・・。
舞台設定は突飛なんだけど、なかなかどうして、観る者を惹き込む推進力のある映画。
あらすじをダラダラと書くのはオレのスタイルじゃないし(面倒だからw)、いつものようにネタバレ無しでストーリーの流れをかいつまんで書いてみる。

疲労で倒れ込んでたヒトラーが目を覚ました。
なんと、そこは現代(2014年)のドイツ。
街のあまりの変わり様に戸惑うヒトラーは、新聞販売店の主人に助けられて、そのまま居候することに・・・。
販売店に置いてある新聞を貪るように読んで、2014年のドイツの様子を知るヒトラー・・・。

うん、この導入部分はコメディの要素もあるし、導入部なんでね、これから先、話がどのように展開するのか?ってワクワク感

同じ頃、テレビ局をクビになったザヴァツキは、偶然、カメラに写り込んだヒトラーを見つけて、動画を撮影するためにヒトラーと二人でドイツ中を旅する事に・・・。
動画を手土産にテレビ局に復職する事が目的だ。

ここで面白いのは、ザヴァツキはヒトラーを「モノマネ芸人」もしくは「頭のおかしい人」と思ってる事だな。まさか本物のヒトラーとは思ってないわけ。
そういう二人だから、いろいろ食い違いも出てくるんだけど、それが妙に笑いを誘う。

ドイツ国中を旅して、いろんな人と会うんだけど、ヒトラーは持ち前の演説口調で会う人に自説を開陳。

ここがね、けっこう踏み込んだ描写なんだけど、ヒトラーと会う人(もちろん役者)に、ドイツの抱える諸問題を語らせてるわけ。移民の問題とかね。それこそ移民については不平不満のオンパレード。
で、ヒトラーに言わせてるんだけど、
私なら解決できる問題だ!
ヒトラーと会ってる人も、まさか本物とは思ってないし言いたい放題ww
みんな、彼のことを「モノマネ芸人」と思ってる・・・。

ヒトラーの動画を手土産にザヴァツキはテレビ局に復職。
ヒトラーはトーク番組に出演するんだけど、これが大当たり。
面白い芸人が出てきたな!
ぐらいに思われてるんだけど、youtube等のネットでも話題になってヒトラーは一躍スターの仲間入り。

ヒトラーはいろんな番組に出演するんだけど、これが政治ネタ(本物のヒトラーだから当たり前)ばかり話す。そして、これがウケる。
このあたりの描写は上手いな。

そうこうするうちに、テレビ局内の権力闘争によって、ヒトラーが旅をしていた時の動画が公開される。これが犬をピストルで撃ち殺してる動画だったので大騒動。
ヒトラーの人気は急速に失墜。

犬を射殺するシーンが伏線だったとはな。
その動画が暴露された事で、ドイツでのヒトラーの人気は無くなるわけだけど、この時点でも、まだ誰も彼が本物のヒトラーだとは気がついてない。
単なる芸人頭のおかしい人ぐらいに思ってるわけ。

暇になったヒトラーは自分の復活談『帰ってきたヒトラー』を執筆、出版。
これがベストセラーになってヒトラー人気は再燃。
ザヴァツキを監督に映画化される事になり、いよいよ撮影もスタート。
国中が「お笑い芸人ヒトラー」に熱狂している時、ザヴァツキの恋人の家へ招待されたヒトラー。
そこはユダヤ人の家庭・・・。
激しくヒトラーを罵る恋人の祖母。

いよいよ映画もクライマックスが近づいてきた。
祖母に罵られてもビクともしないヒトラー。
帰り道では、ザヴァツキに自分の政治的信条を真面目な顔で話す。
ここで、ザヴァツキは思うわけ。
もしかして、本物のヒトラーなのか!?

最初にヒトラーを見つけたフィルムを確認するザヴァツキ。
ヒトラーが倒れていたのは総統地下壕跡!
ここで、ザヴァツキは確信。
奴は本物だ!
映画の撮影も進んでいる今、どうするか・・・。

ってのが話の流れ。

いろんな番組に出演して、自分の政治信条を本気で話すヒトラー。
それをとして観てる一般大衆。
この対比が面白い。
そして、真実を知ったザヴァツキの運命・・・。
このラストは、かなりブラックだ。
映画公開後、熱狂的にドイツ国民に迎えられるヒトラーと失意のザヴァツキ。
このコントラストは・・・

これぞ映画!

いやぁ、良い映画だった。
この映画、わりとヒトラーを肯定的に描いていて、一昔前の「狂った独裁者」的な描かれ方はしてない。
その辺もオレの好みだ。

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別ブログで書いたけど、映画『ヒトラー~最期の12日間~』の中で印象的なセリフがあるんだけどね。

連合国に包囲された総統地下壕の中で、うろたえる軍人たちを前に宣伝相のゲッペルスが言う場面だ。

我々は、国民に強制したことはない。
委ねられたのだ!

これは大いに賛同したんだけど、どこかの国みたいに革命やら内戦ドサクサで政権をもぎ取ったんじゃなくて、あくまでも民主的な選挙で政権についたんだからな。
そんな国よりもよほど正当性はあると思ってる。
まぁ、やった事が良いか悪いかは別問題だけど・・・。

で、この正当性だけど、『帰ってきたヒトラー』の中では、ラスト、国民に熱狂的に支持されるヒトラーのシーンで終わる。
もちろん、誰も本物のヒトラーだとは知らないんだけど・・・。

この映画が描いてるのは、

大衆の愚かさ!?

そんな気がする映画だ。

それにしてもラストのザヴァツキの運命は・・・。
気の毒というか、なんというか(涙)

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

このザヴァツキって人、どうなるんですか?

マサト
マサト

そんなもん、ここで言うたらネタバレになるやんか・・・

バイト君
バイト君

可哀そうな結末?

マサト
マサト

可哀そうというか・・・
哀れ!

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

オレはな・・・

バイト君
バイト君

あっ、言いたい事、分かった!

マサト
マサト

ぁんだよ?

バイト君
バイト君

毛沢東やスターリンやポル・ポトよりもヒトラーの方がマシ、って言いたんでしょww

マサト
マサト

よく分かったなww

バイト君
バイト君

いつも言ってるでしょ~が!

マサト
マサト

・・・・・・

 

 

 

コメント

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