【映画】風化させてはいけない歴史。『あゝひめゆりの塔』を観て日本の8月を感じる!って話

いつかも書いたけどオレが子供の頃なんて8月になるとほとんど毎日、どこかのテレビ局が戦争に関しての特番を放送してた。
太平洋戦争に関する映画もテレビで放映されてたし、それこそ特番では東京大空襲だとか原爆、疎開、南方の激戦地での玉砕、あの戦争に関わる事はいろいろと放送されてたもんだ。
それが今じゃくだらないバラエティ番組を垂れ流してるし、実際に戦争を知ってる人もどんどん亡くなっている。こうして年月と共に戦争の記憶も薄れていくわけか・・・。

だけど、日本人として知っておかなきゃいけない事も有るだろ。
たとえば・・・

沖縄戦!

民間人を含めて多数の日本人が犠牲になった太平洋戦争末期の戦いだけど、最近の大学生なんか沖縄で日本とアメリカが地上戦を戦った事を知らない子も居て驚いたぞ(沖縄戦どころか日本とアメリカが戦争してた事すら知らないクルクルパーも居た)。
戦後75年だから仕方ないのかもしれないけど、死んだ爺ちゃん婆ちゃんから戦争の頃の苦労話を聞いたり、テレビでいろいろ観てきたオレには寂しい気もする。
歴史を知る事で正しい未来、よりベターな未来を選択して作る事が出来ると思ってるので、この先、歴史を知らない人間がどんどん増えていく事に不安もある。

そんなオレが久々に戦争映画を観た。
沖縄戦を扱った映画だけど、沖縄戦といえばひめゆり学徒隊。通称としてひめゆり部隊とかひめゆり隊って呼ばれる事もあるけど、彼女たちの苦難を描いた映画。
ひめゆり学徒隊を題材にした映画はこれまでに何本も製作されてるけど、今回は1968年の日活映画。

って事で、今回は沖縄戦でのひめゆり学徒隊を描いた映画について書いてみようか。

 




 

8月なんで何か戦争映画を観ようとAmazonプライム・ビデオを物色してて見つけたのが1968年製作の日活映画『あゝひめゆりの塔』
明治百周年記念芸術祭参加作品って事で日活も大金をかけて製作してる。
監督は日活のアクション映画で多くのヒットを連発、日活退社後も日米合作『トラ・トラ・トラ!』の日本側監督を務めた舛田利雄。これは期待できそうだろ。

なんと言っても出演陣が凄い。
日活の青春スターが総出演してる。日活で青春スターと言えば・・・

吉永小百合&浜田光夫!

当時の浜田・吉永の日活純愛路線は爆発的なヒットだったらしい(うちの両親が言ってたww)
その浜田光夫と吉永小百合が出演してるのはもちろんだけど、他の出演者も二谷英明、和泉雅子、梶芽衣子、乙羽信子、藤竜也・・・オールドファンには嬉しい名前が目白押し。特別出演のクレジットで若き日の渡哲也も出演してるんだけど、画面の中の渡哲也、むちゃくちゃ若くてぶっ飛んだぞww
まぁ、1968年の映画なんでオレが生まれるかどうかって頃の映画だけど、今から50年以上も前の映画に出てた役者が今も現役で仕事してるってのは何気に凄い話だな。

 

 

映画のデキの方だけど、概ね史実に沿った描写をしてる。
冒頭、いきなり現代(1968年当時)のダンスクラブが映される。そこで踊り狂う若者を描写する事で、これから始まる映画の中の悲惨な歴史、若くして死んだひめゆり学徒隊と対比、まぁ、皮肉を込めた描写をしてるわけ。

さっ、舞台は沖縄になった。
サイパン島が陥落する前、かろうじて沖縄にも平穏な日々が続いてた頃から本編のスタート。
女学生の吉永小百合、和泉雅子らの楽しい学校生活を描いてる。男子学生の浜田光夫との出会いも有って、なるほどな、このあたりは純愛路線というか、青春映画っぽい作り。
いよいよ戦局も逼迫、沖縄から本土に疎開するために多数の児童を連れて吉永小百合の母(乙羽信子)が夜の港を出港するんだけど、乗った船は・・・

対馬丸!

これも日本人なら知っておきたい事件だけど、太平洋戦争中の1944年8月22日、政府命令による学童疎開輸送中にアメリカ海軍の潜水艦の攻撃を受け沈没。犠牲者数1,484名を出した大事件。
政府から何も発表がないまま、母親の安否を気遣う吉永小百合が痛々しい(泣)

 

 

とうとうアメリカ軍が沖縄に上陸。
看護婦として従軍するため軍と共に行動する女学生たち・・・。
ここからは怒涛の展開だ。
食料も薬も無く、ただ南へ南へと逃げる女学生たちとそれを引率する教師(二谷英明)たちの苦闘。今でこそ南国のリゾート沖縄って感じだけど、つい75年前は太平洋戦争でも屈指の激戦地だった。
1968年って事は昭和43年の映画、当たり前だけどCGなんて使ってない。迫る砲弾、足を吹き飛ばされた負傷兵・・・CGじゃないから良い。

生の迫力!

近頃の映画はCGを使いまくって、いかにも「作り物」めいた映画も多いけど、こういう映画こそCGをつかわないで欲しい。
島の南端に追い詰められた主人公・吉永小百合・・・。
これ以上はネタバレになるので書かないけど、史実に沿った描写は好感が持てる。
夏だ!海だ!沖縄だ!って騒ぐのも良いけど、日本にはこういう歴史があったって事を知るには良い教材にもなりうる映画。

 

と、ここまでは好意的な意見を書いたけど、少しだけ不満点も書いておこうか。
確かによく出来てる映画だし、それぞれの役者が熱演してる事も認める。
じゃぁ、何が不満かと言うと・・・

吉永小百合が・・・

綺麗すぎるだろ!ww

アメリカ兵に追われて泥だらけになりながら砂浜に這いつくばる吉永小百合。
う~ん、ここでちょっとリアリティに欠けるような・・・。
現在の吉永小百合を知ってるからかもしれないけど、女学生役の吉永小百合が綺麗すぎる気がする。そりゃ、ホントに綺麗な女学生も居ただろうけど、この映画ではもう少し「普通っぽい」女優に主役を演らせた方が良かったような・・・。たとえば和泉雅子とか(まっ、これは本人には失礼かww)
てか、吉永小百合にあんな泥だらけになる役を演らせちゃアカン(泣)

減点部分はそれぐらいだな。
とてもよく出来た映画なのは間違いないし、日本の歴史を知る上でも観ておいて損はない映画。
毎年巡って来る8月だけど、海だ!山だ!盆休みだ!って浮かれる前に自分の国の歴史に目を向ける事も大切だと思ってる。

 




 

同居人の下書きチェック

同居人
同居人

子供の頃、昼のドラマでひめゆり隊をやってたのだわ^^

マサト
マサト

それ、何てドラマ?
お前、観てたのか?

同居人
同居人

全部は観てないのだわ^^

マサト
マサト

なんで観ないんだよ!?

同居人
同居人

だって怖いやん!
人がバタバタ死んでくし、ああいうのは嫌なのだわ^^

マサト
マサト

・・・・・・

同居人
同居人

戦争中に生まれなくて良かったのだわ^^

マサト
マサト

・・・・・・

 

ここにも自分の国の歴史から目をそらすクルクルパーが居た(泣)
オレが若手サラリーマン時代、沖縄で仕事してた事があるけど、あの頃でもたまに不発弾が見つかったりしてニュースになってたからな(平成時代)
戦後何十年も経ってるのに不発弾が見つかるほどの激戦地、それが沖縄だ。

8月ぐらいは自分の国の歴史を振り返ってみても良いと思ってる。

 

沖縄の旧海軍司令部壕を思い出したので書いてみる!って話
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終戦記念日なので「日本のいちばん長い日」の話。
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