【映画】一番大切なものを失っても前に進む勇気・・・永瀬正敏の『光』を観て思う事

たいして期待せずに観た映画が予想外に良い映画だと、なんだか得した気分になる。
今回の映画『光』もまさにそんな映画。
昨日の夜だけど、自宅での仕事も一段落ついてノンビリしてたんだけど、寝るには早いし何か映画を観る事にした。そういう時に便利なのがAmazonプライム・ビデオ。いろいろな映画を無料で観る事が出来るし(プライム会員の特典)、寝つけない夜なんかはAmazonプライム・ビデオで映画を観まくってる。

何か良さそうな映画は無いか?

って感じでトップに表示されてる映画を眺めてて見つけたのが、今回の『光』だ。
最初はてっきり三浦しをん原作の『光』だと思ったんだけど、監督や出演者を確認すると、どうやら全然違う作品のようだ。
監督は河瀨直美、主演は永瀬正敏・・・これって先日の記事で書いた『あん』のコンビじゃないか。オレは『あん』を観て大号泣したんでね、この『光』にも俄然興味が湧いてきた。

どんな映画なのか観てみよう!

って事で、今回は映画『光』を観て思った事を書いてみようか。




映画『あん』でも思ったんだけど永瀬正敏って歳をとるにつれて各段に演技が上手くなった。昔から上手い役者だと思ってたけど、ここ最近の彼の演技は凄みさえ感じさせる映画が多い。
もうね、この映画の感想を先に結論から書くと・・・

観るべき映画!

派手なアクションも無い、濃厚なラブシーンが有るわけでもない、笑いを誘うような場面も無い、号泣するようなラストでもない・・・だけど・・・

胸に残る!

ジワ~ッと胸に迫るものがあるんだよなぁ。
この映画を観た事ない人も多いだろうし(オレなんか映画の存在自体知らなかった)、公式サイトから軽くストーリーを引用すると、

単調な日々を送っていた美佐子(水崎綾女)は、とある仕事をきっかけに、弱視の天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)と出逢う。美佐子は雅哉の無愛想な態度に苛立ちながらも、彼が過去に撮影した夕日の写真に心を突き動かされ、いつかこの場所に連れて行って欲しいと願うようになる。命よりも大事なカメラを前にしながら、次第に視力を奪われてゆく雅哉。彼の葛藤を見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじめるー。

う~ん、この説明だけだとこの映画の良さの半分も伝えてないな。
ヒロインの美佐子は決して単調な日々を送っているわけではないだろ。田舎に痴呆の母を残して一人暮らししてるし、父親の失踪という過去もある。仕事だって映画の音声ガイドを作るという立派な仕事に就いてるわけだし。
彼女が弱視のカメラマン雅哉と出会うのは、音声ガイドのモニターの会。自分の作った音声ガイドを雅哉からケチョンケチョンに貶されるんだけどね。

恥ずかしながらオレは映画の音声ガイドっていうものを知らなかった。なので映画の冒頭のシーンで美佐子がペーパーを読んでるシーンも何をやってるのか解らなかったんだよなぁ。
映画の画面に合わせて、「今、その画面の中では何をやってるのか」を簡潔に耳で聞こえる文章にして伝えるのが音声ガイド。美佐子はその音声ガイドの文章を作ってるんだけど、雅哉からは「映画を台無しにしてる」という批判。
その言葉にも負けずに自分の文章を推敲する美佐子・・・。

 

 

 

以前は名の知られたカメラマンだった雅哉も、今はだんだんと弱視が進行してる状態。
ある夜、一人で頼りなく歩いてる雅哉を見かけた美佐子は心配のあまり雅哉を追いかけるんだけど・・・。
うん、この辺りから映画は加速度を増して観る者を惹き付ける。
だんだんと見えなくなっていく自分の目、それでも大切なカメラを肌身離さず持ち歩いてる雅哉。
見えなくなる事への恐怖、怖れ、苛立ち・・・永瀬正敏の演技は

むっちゃ上手い!

これ、自分に置き換えてみるとよくわかる。
オレも目が悪いんでね、小学生の時からメガネをかけてるけど、雅哉のそれはオレとは比べ物にならない。だんだんと見えなくなっていくんだからな・・・。
雅哉への想いを意識しはじめた美佐子は、ある夜、目を瞑って一人で点字ブロックの上を歩くんだけど、目の見えない恐怖で歩く事を止めてしまう。ここは印象に残ってるシーン。
目を瞑って歩いてみて、雅哉の「どこにもぶつける事の出来ない気持ち」を少しずつ理解できるようになる美佐子。

 

 

 

ラスト、夜の描写・・・。
雅哉が白杖をつきながら歩いてる来る。
ここは、ちょっとした衝撃だった。映画の前半では、なんとか白杖を使わなくても歩けていた雅哉だけど、ラストでは白杖をついてる。それだけ病状が悪化したって事だけど、雅哉の帰りを待っていた美佐子が大きな声で呼びかける。

中森さん、そっちへ行きます!

雅哉が答えるんだけど、この台詞は泣ける。

待って・・・

俺は、追いかけなくても、探さなくても・・・

大丈夫だから

ちゃんと・・・

ちゃんと、そこに行くから

だから、そこで待ってて・・・

この時の美佐子の表情も良いし、雅哉の歩く姿も何とも言えない(涙)
これ、そこらの恋愛映画を超えてる。

 

 

雅哉が命の次に大切にしていたもの(カメラ)、目が見えなくなる事でカメラマンを続けることが出来なくなり、カメラを失わなければならない状況に置かれても、懸命に生きようとする雅哉は凄い(月並みな表現だけどww)
こんな状況になったら、自暴自棄になったりヤケクソになったりしそうだけど、だんだんと見えなくなっていく目でファインダーを覗く雅哉・・・。

たまらん!(涙)

無事に音声ガイドを完成させた美佐子は映画館で自分の書いた文章が読まれるのを聴くんだけど、ここで音声を担当してるのは樹木希林(音声だけなので姿はない)。
オレも小学性の時からメガネをかけてるし、自慢じゃないけど目が良いとは言えない。だから変に感情移入してるわけじゃないけど、この映画が胸に訴えかけて来るものは重い。
この映画『光』は、ただの恋愛映画じゃない。

映画の中で使われてる雅哉の写真は、写真家でもある永瀬正敏が撮影したもので、重要な役を与えられてる写真集も実際に作られたものだそうだ(非売品)。




いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

三浦しをん『光』も映画化されてますよね

マサト
マサト

あっちの原作は読んだけど、あれはサスペンスだろ

バイト君
バイト君

そっちの方の映画は観ないんですか?

マサト
マサト

今はまだ永瀬正敏の演技の余韻に浸っていたいのだ(泣)

バイト君
バイト君

・・・・・・

 

考えてみると、今の世の中、目の不自由な人を含めて障碍者には優しくない。
バリアフリーも進んでないし、障碍者を差別するような人間だって居る、
盲導犬にタバコの火を押し付けるなんて言うキ〇ガイみたいな行為をする人間が居るんだからな。

そういう人間には嫌悪感しか湧いてこない!

この映画を観て音声ガイドというものを初めて知ったけど、いつか機会があればやってみたいような・・・。
まっ、オレの文章力じゃ出来そうもないけどな(涙)

 

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