いきなりだけど・・・
オレは自分の読解力に自信がない!ww
これは物心ついた頃には薄々と感じてたハズで、中学生の頃には確実に自覚してた。
友達から勧められた本なんかを読んでも全く感動出来なかったリ、逆に「これのどこが面白んだ?」なんて不思議に思う事もしばしば。
全部が全部、そういう訳じゃなくて、良いと思うものも多かったけど、同じぐらいの割合で「?」な場合も有った。
で、そういう時に思ったのは・・・
オレの読み方が足りないんじゃないか?
とか
どこか大事な部分を飛ばしてるんじゃ?
なんて心配したり。
まわりの皆が褒めてる作品の良さが解らないってのは、「オレの読解力に問題が有る」って結論になるわけで・・・。
そのたびに、また最初から読み直してみたりww
さすがに大人になると、もう開き直ってるんでね、
面白くないモノは面白くない!
って断言してるけどww
で、今回は伊坂幸太郎の短編集の話を書いてみようか。
いつかの記事でも書いてるけど、日本人作家で好きな作家を10人挙げるとすれば、オレの場合は必ず伊坂幸太郎は入る、ってぐらい好きな作家だ。
そんな大好きな作家の短編集だから、そりゃ期待もするだろ。
はたしてオレの感想は・・・。
伊坂幸太郎の作品は大好きで、いろいろな小説を読んでるし映画化されたものについては映画も観てる。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を裏テーマにしてる『アヒルと鴨のコインロッカー』なんか原作も映画もすごく良かったし・・・。親子、兄弟の情愛を描いた『重力ピエロ』なんかも印象深い。
今回は短編集を読んだんだけど、読んだ本はこちら・・・
ジャイロスコープ!
これまでも伊坂幸太郎の短編集は『死神の精度』、『アイネクライネナハトムジーク』等の連作短編集を読んでいたけど、まったくの独立した短編集を読むのは初めてだ。
背表紙には、こんな記述が・・・
助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件の“もし、あの時……”を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。
七つの伊坂ワールド!
そんな言葉を聞けば、伊坂幸太郎ファンとしては買わずにいられない。
10冊以上溜まってる積読を飛び越えて、さっそく読んでみたぞ。
先に結論を書くと、この短編集・・・
オレには難しすぎる!?
ような気がする(涙)
もうね、第一話の『浜田青年ホントスカ』から「?」の状態になった。
「?」の状態というか、頭の中で「?」マークが踊り狂ってるというかww
伊坂幸太郎の小説の特徴というか、魅力と言っても良いけど、ファンが求めてるのは「楽しい会話」、「個性的な登場人物」、「伏線とその回収」なわけで、このうち一つでも欠けると伊坂作品としては大きなマイナス。
第一話の『浜田青年ホントスカ』、個性的な人物は出てくるし、伊坂作品らしくそれなりに「楽しい会話」もあるんだけど・・・
伏線も回収も何もないww
最後まで読んでも、「で、この先、どうなったの!?」って疑問ばかりが頭に浮かんでくるし、伏線の回収どころの話じゃない。そもそも伏線が有ったのかどうかも定かじゃないけど・・・。
オレの好きな伊坂幸太郎がこんな話を書くなんて、にわかには信じられない。
となると、疑わしいのは・・・
自分の読解力!ww
もしかして大切な部分を読み落としてるんじゃないか?なんて不安にもなるだろ。
第一話だけで三回も読み直したぞ(泣)
やっぱり中途半端な終わり方だ。
これ、伊坂幸太郎だから許せるけど、他の作家がこんなもん書いてたら大激怒してるところだww
第二話の『ギア』に至っても様子は変わらず、今度は近未来なのかSFなのか・・・セミンゴって言う怪獣が出てきたww
さすがに伊坂幸太郎、会話は洒落てるんだけど、こちらも第一話同様、なんとも中途半端な印象を受ける結末。
以下、サンタクロースが出てきたり、新幹線の清掃係の人が出て来たりと、退屈はしない短編集なんだけど・・・
オレが求めてたものとは違うww
巻末にデビュー15年目を迎えての伊坂幸太郎のインタビューが収録されてるんだけど、ここで作者自身による各作品の解説みたいなものが記されてる。
オレ的にはこのインタビューが一番のお気に入りだ(収録作品の他にも、これまで書いてる長編への想いとか、これからの作品作りについて語られてる)。
いつものバイト君の下書きチェック

あれ?
伊坂幸太郎なのに辛口ww

当たり前だ
よく解らんものには高評価はできないだろ

自分の読解力に自信ないくせにww

・・・・・・

まぁ、伊坂さんは人気作家だし、
信者みたいな人も居ますからねぇ

・・・・・・
まぁ、オレは別に信者でも何でもないけど、伊坂幸太郎の作品の中でベストを挙げるとすれば、間違いなく『砂漠』。
今の時期、高校や大学に入学する子は希望に胸を膨らませているだろうけど、そういう子にこそ読んでほしい一冊(ウチに通ってる子には半強制で読ませてるww)
この本には、伊坂幸太郎のファンが求めるであろう「楽しい会話」、「個性的な登場人物」、「伏線とその回収」の他に、「大きな感動」も含まれていて実に読みごたえのある青春小説。
いつか『砂漠』に出てくる「名言」を集めて記事に書こうと思ってる。
それぐらい好きな小説。
その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ!





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