よほどの話題作、好きな俳優が出ていない限り滅多に映画館に足を運ぶ事はないんだけど、今回は半年ぶりに映画館で映画を観てきた。
LGBT、特にゲイの間で話題になってる『窮鼠はチーズの夢を見る』だ。
オレもバイセクシャルなんで、この映画には興味があるし仕事の隙間時間に出かけたってわけ。
この映画の何がLGBTの人の間で話題になってるかというと・・・
ゲイとノンケの心理描写!
ゲイがノンケの人に恋心を抱くと、まぁ、普通はストレートに告白も出来ないし悶々とした日々を過ごすことになる。
この映画の中では、恋心を抱き続けるゲイ、最初は拒否しながらもいつのまにか相手の事を大切に思うようになるノンケ、でも世間の常識に沿う生き方をしようと拒否してみたり・・・。
その辺りの揺れ動く心理描写がかなり良いって噂を聞いていたから気になっていた映画。
って事で、今回は映画『窮鼠はチーズの夢を見る』を観ての感想をバイセクシャルのオレが簡単に書いてみようか。
この映画を知らない人も居るかもなので、まずは公式サイトで紹介されてるストーリーを軽く引用しておくと・・・
学生時代から「自分を好きになってくれる女性」ばかりと受け身の恋愛を繰り返してきた、大伴恭一。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉と7年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、ふたりは一緒に暮らすことに。ただひたすらにまっすぐな想いに、恭一も少しずつ心を開いていき・・・。しかし、恭一の昔の恋人・夏生が現れ、ふたりの関係が変わりはじめてゆく。
この紹介文だけだと、一途に想いを寄せるピュアなゲイとノンケの恋物語、青春映画かと思うかもしれないけど、実際はかなり違う。
なにしろR-15指定映画・・・。
男同士のディープキスはもちろんだけど、フ〇ラしてる場面、ア〇ルセックスしてる場面が複数回出てくる。
こういうのに慣れてない人は・・・
セックス描写過多!
だと思うかもしれないなww
一般公開されてる映画なんで、さすがにゲイビデオみたいな過激な描写はないけど、そういうのを見慣れてるオレでもこの映画は少々興奮させられる描写だった。
で、いつものように先に結論から書くけど、この映画・・・
救いは有るのか!?(泣)
自分がバイセクシャルなんで、この映画の主人公・渉の気持ちはよくわかるつもりなんだけど、ノンケの人を好きになるとツライんだよなぁ。
映画の冒頭、ある事がキッカケで恭一の秘密を知る渉だけど、秘密をバラさないで欲しいという恭一に渉が出した条件は・・・
キスさせて!
半ば脅しのようなキスだけど、もうね、この辺りから渉の気持ちを想うと痛々しい。
二度目に会った時、キスだけの約束なのに恭一のズボンに手をかける渉。驚いた表情で、
キスだけの約束だろ!
と言う恭一に向かって渉は、
どこにキスしても一緒だろ・・・
諦めたような表情の恭一、下半身にむしゃぶりつく渉。
まぁ、エロ映画じゃないんでね、そのものズバリの描写じゃないんだけどww
恭一と渉の間は接近するんだけど、そこへ現れるのがふたりの女性。
一人は大学時代の恭一の彼女、もう一人は会社の部下。
この女性の出現によって恭一の心は揺れ動くわけ。そりゃ、どうだよな・・・
元々はノンケなんだから!
渉の気持ちも痛いほどわかるし、恭一の気持ちだってわかる気がする。
ラストの描写、記事タイトルに「救いは有るのか!?」って書いたけど、カフェで一人残される恭一の部下、見知らぬ男に抱かれながら号泣する渉、部屋で一人、渉の置いて行った灰皿を洗う恭一・・・。
三人ともバラバラ!
観終わった後、なんだかドンヨリした気分になったぞ。
これ、けなしてるんじゃない。
良い意味でドンヨリしたって事。
つまり・・・
いろいろ考えさせられた!(涙)
オレぐらいの歳になると、これまでの実生活でもいろいろ見たり聞いたりしてるけど、まぁ、ゲイの人がノンケに告白してもあまり良い結末にならない事が多い(この辺りの経験談は別ブログにも書いてるけどww)。
その辺りを一方に偏る事なく繊細な描写で描いてるのは評価に値するな。
役者も良かった。
特に渉を演じた成田凌の演技は胸に沁みる。大学時代から8年間も想いを寄せてる表情、観てるオレの方が胸を締め付けられるような感覚になったぞ。
誕生日に恭一からワインを渡されるシーン、あそこの表情なんか目に焼き付いてしまった(涙)
『窮鼠はチーズの夢を見る』は・・・
ドンヨリするけど良い映画!
この映画は映画館で観てきたことは書いた通り。
早めの時間に行って鑑賞券を握りしめて、ワクワクしながら待ってたんだけどね・・・
いざ館内に入ってちょっとビックリしたぞ。
まわりは女性客ばっかり!
男性客(しかもオレのようなオジサン)は一人も居ないww
まっ、恭一を演じてる大倉忠義クンの濡れ場を観に来てると予想(なんと言ってもジャニーズだし)。
映画館なんて映画が始まってしまえば真っ暗になるんだし、男一人でも恥ずかしくも何ともないけど、始まるまでの時間が少々苦痛だったww
褒めてばかりもアレなんで、ちょっとだけ気に入らないところ(気になるところ)も書いておこうか。
傷心の恭一がゲイバーだかゲイの集まるクラブに行くシーン。
何でオネエしか出てこない!?ww
そりゃ、ノンケの人にはオネエってのが「分かりやすいゲイの姿」なのかも知れないけど、オレみたいなLGBTど真ん中の人間にしてみたら、逆に違和感だ。
今の世の中、普通にサラリーマンやりながらノンケを装ってるゲイも多いし、映画に出てきたようなオープンな人間ばかりじゃない。
その点は妻夫木クンがゲイを演じた『怒り』の描写は秀逸だった。
LGBTの人にはいろいろ考える機会を与えてくれる映画かもしれないな。
いつものバイト君の下書きチェック

仕事に遅れて来たかと思えば映画観てたんですか!

おう!
前から気になってたからな^^

そんなの土日に行けば良いじゃないですか!

土日は混んでるだろ

・・・・・・

今日のオレは映画の余韻に浸ってるのだ
あまり話しかけてくるな^^

・・・・・・
この映画の原作は小学館の女性向けコミック誌に掲載された漫画作品。
映画のデキがこれだけ良いと原作の方も気になる。
さっそく買って読んでみたいと思ってる。
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