現在の大学入試センター試験は2020年度(2021年)から大学入学共通テストってのに様変わりするんだけど、いろいろと変更される(オレは改善とは思ってない)部分もある。
例えば国語と数学で記述式の問題が出て来たりするわけだ。
その辺りについては思うところを以前にも書いたんだけどね。
センター試験(2019年)が終わった。2021年からは新テスト!って話
学習塾なんてのをやってるとこういう改悪には非常に敏感になるんだけど、記述式の問題が出題される事と同じぐらい気になってるのが、英語民間試験だ。
読む・聞く・話す・書くの「4技能」を評価するため、大学入試として活用できる資格・検定試験を国が認定。高校3年生の4~12月の間に2回まで受験した資格・検定試験の結果が大学入試センターへ送られて、さらに各大学へ送付されるって事だけどね。
こんなもんオレに言わせれば、
穴だらけ、不公平感丸出しの愚策!
って事で、今回の話は英語民間試験について思うところをちょっとだけ書いてみようか。
2020年度、つまり2021年の1月に大学入学共通テストを受験する子(現在高2の子)は、来年4~12月の間に二つまで英語民間試験を受けて、その成績が大学入試に活用されるって流れになるんだけど、来年の4月からって・・・
すぐだぞ!
オレとしては出来るだけ良いい点数をとらせてやりたいし、そのための準備もさせなくちゃならない。
だけど、この英語民間試験、何がどうなってるのか現状ではよく解らない部分も多い。
そんなわけでヤキモキしてるところ、今朝の新聞にデカデカと記事が掲載されてた。
毎日新聞の3面、クローズアップのコーナーだけど紙面の半分以上を割いて問題点が書かれてる。
見出しには・・・
英語民間試験できる?
会場、成績提供…準備 後手に
未定の大学「様子見」
なんて文字が躍ってる。
来年の4月からは本番を見据えた高校生が本気で英語の試験に臨もうかって時期に、とんでもない見出しだ。
どういう事が書かれてるのか読んでみたぞ。
リードの部分に書かれてるのは、
受験開始が来年4月に迫る中、高校側が10日に21年度以降への延期と制度の見直しを求める要望書を国に提出する異例の事態となった。
って書かれてる。
要望書を提出したのは全国高校長協会(全高長)、提出先はもちろん文科省だ。
全高長が7月に全国470人に校長に実施した調査では69.1%の校長が英語民間試験を「延期すべき」と回答。理由は単純明快で、
生徒の不安が払拭されてない!
そりゃね、どんなものでも新しい事をはじめようとすると、その最初の当事者は不安になるもんだ。オレなんかは共通一次世代だけど、制度開始から3~4年経ってても不安だったぞww
英語民間試験で採用されるのは「英検」、「GTEC」等の7種類。当初は参加を表明してた「TOEIC」は7月2日になって撤退を表明。「申し込みから運営、成績の提供に至る処理が想定よりも複雑」ってのが撤退の理由だけど・・・
TOEIC対策してた子はどうすんだ!?ww
今の高校2年生は来年の4~12月の間に2回受験して、その成績が志望大学に提供されるわけだけど、今になって撤退だの何だ言われても不安しか残らないだろ。
もちろん23年度までは大学入試センターの作る現行式の英語試験も併用されるんだけど、その後はどうなるんだろうな。
一連の動きをみてると、とにかく制度を始めてしまえ、っていう姿勢が透けて見える。
後は野となれ山となれ、とでも思ってるんだろうか。
生徒が不安になるのは民間の業者にも責任あると思ってるんだけど、たとえば試験会場・・・。
さすがに試験日は多くの民間試験で公表されてるんだけど、試験会場については「未定」、「関東」、「北海道」なんていう地域しか示されてない。
関東って何だよ!ww
来年の4月から受験生が本気で英語の試験に臨むっていうのに、試験会場も示されてないとか、そりゃ受験生は不安にもなるだろ。
こんな状態で上手く運営してくれるんだろうか?ってな。
というか、来年の4月まで半年だぞ。
試験日、試験会場を含めて事細かく周知させろってのが多数の意見だ。
それをしないなんて・・・
バカにしてんのか!?
って話になる。
そりゃ、国を挙げての制度改革、これに一枚噛めば各種団体の収益増につながるんだろうけど、やるからには責任もってやって欲しい。
それともう一点・・・。
以前の記事でも書いたけど、親の経済力の問題も絡んでくる。
親の年収格差は学力格差につながるのか!?ならば、乗り越えろ!って話
親の収入の格差は子供の学力差に繋がるのか、って話だけど、正直なところ「繋がりやすい」とは思ってる。
繋がるとは言ってないぞ、繋がりやすいって事だ。
で、今回の英語民間試験だけど・・・
裕福な家庭の子供は受験料を気にせずに、高校2年生の段階から何度でも練習として受けられる!
これは公平であるべき受験と言えないんじゃないか。
紙面に各英語民間試験の検定料が掲載されてるんだけど、育ち盛りの高校生を持つ家庭には安くはない金額だろ。

©毎日新聞
TOEFL iBTなんて1回の受験で2万5千円だぞ。
英検だって1万円近い料金だ。
負担するのはそれだけじゃない、近くに試験会場が無い子は交通費やら宿泊費もかかる事になる。
儲けるのは国の事業に一枚噛む事になる業者だけだ。
いつも言ってるけど、
受験はなるべく公平であるべき!
で、肝心の大学側の対応はどうかというと、これも紙面に詳しく書かれてた。
英語民間試験を入試で活用するかどうか・・・文科省の調査では、全国の国公私立大学1070校のうち3割にあたる296校が「すべての学部・選抜で未定」との結果。
あのね、未定って言われると子供が不安になるだろ。
自分の志望する大学は英語民間試験が必要なのかどうなのか・・・
これによって対策も変わってくるだろうし。
オレだって少しは指導方針を変えなくちゃアカン。
未定の大学の多くは私立大学だそうで、理由は「競合校の動きをうかがっている」から。
これも以前に記事に書いたけど、今の日本は大学の数が多すぎる。
子供の数は減ってるのに大学の数はオレが受験生だった頃と変わりない。どこだって優秀な学生が欲しい、かと言ってそうは簡単には集まらない・・・。
ますます大学の序列化、格差は広がると思ってる。
国立大学はどうかと言うと、うん、さすがに良識を示してる大学が多いな。
うちに来てる子にはよく言うけど、「東京の二流三流と言われる大学に行くぐらいなら、地方の国立に行け」。
まぁ、このあたりは個人々々で価値観も違うし、どうしても東京に行きたいって子も現実には居るけどなww
この英語民間試験だけど、国立大学では岡山大学が昨年7月、民間試験の成績を大学入学共通テスト(英語)の得点と合わせて評価すると公表してたんだけど、今年の3月になって「さまざまな課題の解決への道筋が不明瞭」として、民間試験の成績提供を原則求めるものの、合否判定には使わない方針に転換。
東大は昨年の9月に成績提供を必須としない事を表明。理由は「地域や経済的格差によって受験機会が左右されるなど課題が残る」って事を言ってる。
他にも北大、東北大、名大も初年度は民間試験を活用しない方針。
東北大のHPには民間試験を採用しない理由について、「公平公正な受験体制の整備や成績評価など、さまざまな問題が指摘されているが解決する見通しが立っていない」と説明してる。
実にまっとうな意見!
さすが国立・・・。
学生集め(言い換えると金儲け)に頭を悩ませてる私立とは違うなww
いつものバイト君の下書きチェック

今の高2はいろいろ苦労ww

まぁ、ホントに力が有る子は、どんな制度になっても結果は出すけどな

記述式の問題も出るようだし、採点する方は大変でしょうね

簡単だろ
字が汚い解答は片っ端からハネれば良いだけww

・・・・・・

前にも記事にしたけど、これからは字の練習も必要って事だww

・・・・・・
今回の英語民間試験、文科省の有識者会議で民間の検定を導入するように主張したのは楽天のあの会長・・・。
今の英語教育が良いとも思ってないし、試験制度が良いとも思ってないけど、だからといって新しい制度が良いとも思ってない。
あの会長が民間の検定を導入するように主張したってのも、なんだか胡散臭く感じてしまう。金になりそうな匂いでもかいで主張したんじゃないかと疑ってるぞ。
入試改革は「20年度実施」という目標が先にあって、その器に無理やりにでもハメ込もうとするから問題が出てくる。
こういう問題は、それこそ利害関係のない「ホントの有識者」に時間をかけて議論させるべき。
商売人を諮問機関に入れる事からして間違ってるww








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