【映画】サスペンスとロマンスの『わが名はキケロ~ナチス最悪のスパイ』/思わぬ掘り出し物に満足!って話

今回はスパイ映画の話。
スパイを扱った映画は好きでよく観るけど、007シリーズ『ミッション・インポッシブル』じゃない(こういう映画も面白いけどな)
オレが好きなのはもっとリアリティのあるスパイ映画。
例えば冷戦時代の英国を舞台にした『裏切りのサーカス』とか、軽く同性愛にも触れてる『アナザー・カントリー』とか・・・。スパイ映画で特に印象的なのはヒッチコック監督の『トパーズ』だけど、こちらはスパイ映画独特のジリジリするようなサスペンスにロマンスを絡めてキューバ危機を描いた傑作。
いくつもお気に入りのスパイ映画は有るけど、新しくお気に入りリストに入ったスパイ映画がある。

って事で、今回は第二次世界大戦中のトルコを舞台にした『わが名はキケロ~ナチス最悪のスパイ』の話。

 

 

この映画はトルコ映画だけど、何気にトルコの映画って良いものが多い。
金をかけたハリウッド大作よりも面白いものも多いし・・・。
で、このトルコ製作の映画が描くのは第二次大戦中のトルコ。
知らない人も居るかもだけど、トルコは1945年の2月(ドイツ降伏の2ヵ月前)まで枢軸国側にも連合国側にも与しなかった中立国。
その中立国トルコを舞台にイギリスとドイツの暗躍、というか駆け引きを描いた映画。
もう舞台設定だけで面白そうな予感。
しかも実話に基づいた映画だからなおさら期待が高まる。
どういうストーリーなのかをamazonプライム・ビデオの紹介文から引用すると、

ナチスドイツ、大英帝国、トルコ共和国の三つ巴の中を、自らの欲望と正義をかけて生き抜いた稀代のスパイ、コードネーム:キケロの数奇な運命を、実話に基づいてサスペンスフルに描いた歴史大作。歴史の裏側を駆け抜けたダークヒーローの生きざまが感動を伴う上質のエンタテインメント!

実話に基づいてるって事で、当たり前だけどモデルも居る。
モデルになったのはエリエサ・バズナ(映画ではイリアス・バズナ)というアルバニア人。彼のスパイ活動は書籍にもなってたようだけど(エリザ・バスナ『わが名はキケロ』香山清訳『世界ノンフィクション全集 42』筑摩書房・1963年所収)、う~ん、既に廃刊になってるらしくamazonにも見当たらなかった(泣)
まぁ、オークションとか古本屋で探せば手に入るかもだけど、今回は書籍の方じゃなくて映画の話。
この映画・・・

かなり面白い!

映画の持つ雰囲気も良いし、ストーリーもちょっと捻ってる。
さすがに史実をまるまる映像化してない事はわかるけど、サスペンスにロマンスを絡めてるのが秀逸。
このロマンスも一波乱、二波乱あるし、スパイ映画の持つジリジリするような緊張感も健在。
2時間を超える映画だけど、退屈することなく楽しめた。

 

映画の冒頭の場面は1918年。
少年時代のイリアスが映し出されるけど、いきなり凄い。
細かな説明は止めておくけど、死体を突っつくカラス、酒に酔った兵士・・・。
かなり強烈な描写の後に少年イリアスが映し出されるんだけど、弟とのシーンが何気に後半への伏線になってて作り手の工夫が感じられる。
時代は飛んで第二次世界大戦中のトルコ(ここからが映画の本筋)
イギリス大使の執事として働いているイリアスは、機密情報を盗んではドイツ大使館員に売り渡すようになる。ドイツの信頼を得た彼はコードネーム・キケロと呼ばれるようになる。
一方、ドイツ大使館で働くシングルマザーのコルネリア。
ドイツが進めているT4作戦の実態を知って動揺してる(T4作戦ってのは実際に行われたもので、精神障害者や身体障害者に対して行われた「強制的な安楽死」(虐殺)政策。 1939年10月から開始され、1941年8月に中止されたが、安楽死政策自体は継続された)
彼女が動揺してる理由は、彼女の息子がT4作戦の該当者だから・・・。
ふとした事で出会ったイリアスとコルネリアは恋に落ちるわけだけど、コルネリアはイリアスがキケロだとは知らない(まぁ、それでも一時の安らぎは訪れるわけだけど)
情報の漏洩が明らかになったイギリス、キケロをもっと利用したいドイツ・・・。
キケロはイギリスとドイツから追われる身になる。
息子の安全(新しいパスポート)と引き換えにキケロの情報をイギリスに渡そうとするコルネリア・・・。
ハラハラドキドキ感が半端ない。
恋人イリアスがキケロだった事を知るコルネリア、自分の情報をイギリスに売ったのがコルネリアだと知ったイリアス・・・。
と、こんな具合にストーリーは進んで行くわけ。
二人はどうなるんだろう、コルネリアの息子は無事なのか、そもそもキケロの目的は何なのか、最後まで目を離せない映画。

ストーリーも秀逸だし雰囲気(絵作り)もお洒落。
映画館のシーンでは名作『カサブランカ』を上映してるし(イリアスとコルネリアの未来を暗示?)、細かなところで作り手のこだわりが感じられるような気がする。
使われてる音楽もクラシックからビッグバンドジャズと多彩。
スパイ映画なんだから、もちろんジリジリするような描写もたくさん。
キケロがイギリス大使の寝室から機密書類を盗み出すシーン、コルネリアがキケロの情報を盗むシーン、キケロを乗せたドイツ大使館員の車とコルネリアを乗せたイギリス大使館員の車のカーチェイス、収容所に入れられた息子を取り戻しに向かうシーン・・・。

堪能しました!ww

寝室から機密書類を盗む場面、テーブルから落ちたグラスを受け止めるんだけど、これは『ミッション・インポッシブル』のあのシーンを思い出した(どちらも神業だけどww)

 

お洒落だし、ドキドキさせてくれるし、非常に満足度の高い映画だったけど、観てる途中、どうしても解らなかった事がある。
副題の「ナチス最悪のスパイ」って部分。
イギリスから情報を盗んでドイツに売り渡してるのに・・・

どうしてナチス最悪なんだ!?

ドイツの役に立ってるのに!

って思ってた。
どう考えてもドイツの利益のためにやってるだろ。
この疑問は映画の最後の最後で明らかにされるんだけど、なるほどな、たしかに最悪かもしれないと思わせる捻ったラスト。
てか、この映画は原題通り『キケロ~イリアス・バズナ』の方が良い。
「ナチス最悪のスパイ」なんて副題はせっかくのお洒落な映画の雰囲気を壊すと思ってるww
まぁ、映画の中身には影響ないんだけど・・・。

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

トルコの映画って珍しいですね~

マサト
マサト

あの国の映画、良いものが多いのだわ

バイト君
バイト君

これ、実話なんですか?

マサト
マサト

実在した人物だけど・・・

バイト君
バイト君

けど?

マサト
マサト

実際のキケロは映画みたいなハッピーな結末じゃなかったらしいわ

バイト君
バイト君

・・・・・・

マサト
マサト

戦後、大貧乏で亡くなったらしい

バイト君
バイト君

・・・・・・

 

まっ、映画なんでね。
バッドエンドよりは明るい未来を感じさせる終わり方の方が良い。
ドキュメンタリーじゃないんだし、そこそこの脚色はOKだろ。
戦争してる当事国同士が中立国を舞台にして火花を散らす・・・なかなか面白い映画だった。
日本にも面白いスパイ映画はあって2004年の『スパイ・ゾルゲ』なんかも実話を基にした映画。もっと古くは1966年の『陸軍中野学校』が思い浮かぶ。
その辺りの話は、また気が向いた時にでも書いてみようか・・・。

 

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