うちの学習塾では学校の中間・期末テスト対策なんかやってない。
その理由は以前にもどこかで書いたけど、「目先の中間・期末」よりも目標は志望校の合格にあるから。試験範囲があらかじめ教えられてる中間・期末なんかでいくら点数をとっても仕方ない。良い点数を狙うのは模試と本番だけで良いと思ってる。最終的な目標は本番のテストで良い点数を取ること。
普段はロクに机に向かわない子が中間・期末のテスト前だけ目の色を変えて机に向かい、必死で「テスト範囲だけ」勉強する事は愚の骨頂(言い過ぎかww)
学習塾のオーナーが志望校合格への勉強方法と取り組み方を簡単に書いてみる!って話
そんな訳で学校で中間・期末テストが行われている間も普通に授業を行ってるけど、例えば英語・・・。
洋画の中の台詞だとか洋楽の詩を使って英語に慣れるための訓練なんかもやってる。洋楽なんかは「聴いて」、「唄って」、「日本語にする」、「その日本語を別な英語に訳す」・・・この一連の作業で読解力やら日本語の作文能力、英作文の能力が身につくからな(もちろん例外も居るww)
って事で、今回の話はデビー・ブーンの大ヒット曲、『恋するデビー』の話を書いてみようか。
この曲は古い曲で1977年の映画『マイ・ソング』の主題歌。まぁ、映画の方の内容はここでは関係なにので別な機会に譲るとして、映画の中で唄ってるのはケイシ―・シンク(アカデミー歌曲賞、ゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞)。だけど爆発的に売れたのはデビー・ブーンの方。
映画の公開前にデビー・ブーンがこの曲でデビューしたんだけど、彼女はあのパット・ブーンの娘。パット・ブーンといえば『砂に書いたラブレター』で有名な往年のハンサム歌手。
パット・ブーンの娘が歌手デビュー!?
って事で、当時の日本でもけっこう話題になったのを子供心に覚えてるけど、聴いてみると、なるほど良い曲。アメリカでもビルボードで10週連続で1位を獲得してるし、父親の知名度とも相まって日本でも大ヒット。
その曲が今回の話の本題『恋するデビー』だけど、この曲の原題は・・・
You Light Up My Life
どこをどうイジッたら『恋するデビー』なんてくだらない邦題になるんだ。
昔は洋楽に訳の分からない邦題をつける事が多かったな。アルバート・ハモンドの『落ち葉のコンチェルト』なんて、邦題をつけた人の神経を疑うレベルww
歌詞の中にはどこにも落ち葉なんて出てこないし、秋を感じさせる描写もない。
話が脱線しそうなので『恋するデビー』に戻そう。
この曲、最初はピアノのイントロで静かに始まるわけだけど、だんだんと盛り上がって最後はアメリカ人好みの大迫力のエンディングww
有名な曲なんで聴いた事あるって人は多いだろ。
曲もスローで唄いやすいし、何といってもここで使われてる英語は・・・
中学生レベル!
これぐらいの英語なら中学生は5分で日本語に訳して欲しいと思ってる(高校生なら読むと同時に頭の中に情景が浮かんで欲しいところ)。
まぁ、中学生レベルと言ってもどんな内容の詩なのか気になる人も居るかもなんで、ちょっと歌詞の内容を見てみようか
You Light Up My Life
So many nights
I’d sit by my window
Waiting for someone
To sing me his song
So many dreams
I’ve kept deep inside me
Alone in the dark
But now you’ve come along
冒頭の部分だけど、どこにも難しい単語は無い。
しいて難しそうな部分を挙げるとすると、I’ve kept~、you’ve come~の現在完了形の部分だろうけど、ここは普通にkeptはkeepの過去分詞って事は理解してるはず。
いくつもの夜を窓辺に座ってすごした
私に歌を聞かせてくれる誰かを待ちながら
たくさんの夢を心の奥に秘めていた
暗闇の中、一人で
でも、今、あなたが私の前に現われた
英語のyouなんてそれだけ聞いても「男なのか女」なのか解らないけど、唄ってるのがデビー・ブーン(女性)なんで、me=私、you=あなたって書いたけど、こんなもん男の子が解答するならme=僕でも良いし、you=君でも良い。もちろん「男の子っぽい」訳詞でも全然OK。
で、サビに突入するんだけど、これ・・・。
And you
Light up my life
You give me hope
To carry on
You light up my days
And fill my nights
With song
どれも中学生で「知っていて当然」の単語。
Light upなんて言葉、今じゃよく聞く言葉で珍しくも何ともない。ライトアップって言ってるだろww
あなたは私の人生を明るく照らしてくれる
あなたは私に希望をくれる
明日からも生きていくために
あなたは私の昼を照らし
夜はあなたの歌で満たしてくれる
ここは日本語のセンスを磨くには持ってこいの部分。
carry on=続ける、進めるって意味。
daysはそのまま「毎日」、「日々」でも良いだろうし、すぐ後にnightが出てくるんで「昼」でも良さそう。
二番になると、いよいよ曲も盛り上がってくる。
Rolling at sea
Adrift on the waters
Could it be finally
I’m turning for home?
Finally, a chance
To say, “Hey, I love you,”
Never again
To be all alone
ここも特に難しい言葉はないな。
Could=canの過去形ってのは受験生にとっては常識中の常識だし、あとは日本語のセンスの問題。
homeをド直訳で「家」にするのもOKだけど、もう一捻りして欲しいところww
海の上を漂って
水面をあてもなくユラユラしてたけど
やっと心が安らぐ場所に戻れるのね
とうとう言うチャンスが来たの
愛してるって
もう二度と一人ぼっちになりたくないの
う~ん、なかなかのラブソングだなww
で、サビが繰り返された後、エンディングはこれ・・・
It can’t be wrong
When it feels so right
‘Cause you
You light up my life
以前、rightを「右」って訳してた子が居て、まぁ、単語的には間違いじゃないけど・・・rightには「正しい」とか「適切な」って意味もある事は受験生なら知っておくべき。
それは間違ってなんかないわ
正しい事だって感じるから
だって、あなたが
あなたが私の人生を照らしてくれるから
いやぁ、熱烈な愛の歌だなww
オレぐらいの歳になると聴いてる方が恥ずかしくなりそう。
まぁ、曲のテンポは超がつくほどスロー、使われてる言葉は中学生レベルなんで今の時期の授業では毎年使ってるんだけど・・・。
時々、ハッとするような翻訳をする子も居て、これが面白い。Lifeをそのまま人生って書くんじゃなくて生活、日常、暮らし、毎日・・・。
そういう答えを書く子はたいてい学校での国語の点数も良い。勉強以外でも新聞や本を読む子だ。
いつも言ってるけど、地頭を良くするには・・・
本を読む!
普段は本も読まずにゲームばかり、目先の中間・期末テストだけに目を奪われてテスト前だけテスト範囲の勉強・・・そんな事で模試やら本番で良い結果が出るわけない(例外は居るww)
そうそう、この曲の中で出てくるyouだけど、デビー・ブーンはyouの意味を問われた際に、「主(Lord)」と答えたそうだ。
主ってのは、まぁ神様って意味で良いと思うけど、なるほどな、ここでyouを神と解釈すると、この曲もまた違う意味で奥行きが広がってくる。
いつものバイト君の下書きチェック

これ、カラオケでよく唄ってましたねww

まぁ、超簡単な歌だからな
こんなの唄えても自慢にも何にもならんww

そういえば、今年もビックリするような翻訳してた子が居ましたね~^^

オレが惚れ惚れするような訳な
あれは一種の才能かもな・・・

妬いてるんですか?ww

子供のうちからあんな日本語のセンス、そりゃ羨ましいだろ

・・・・・・
そうそう、学力の二極化が進んでるって話は以前にも書いたけど、印象に残ってる解答を一つだけ紹介してみようか。
I live in Tokyo.
もちろん、「私は東京に住んでいます」って意味。
この文を過去形にしろって問題だったんだけど、ある中学生の答えに腰を抜かしそうになった。
I live in Edo.
江戸・・・
問いただしたところ本気で書いたらしい(涙)









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