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【映画】父と息子の情愛を描いた『自転車泥棒』/時代を超えて語り継がれる名作!って話

たまに訊かれる事があるんだけど、何を訊かれるかというと・・・

泣ける映画でオススメ有りますか?

単に泣ける映画と言われても、洋画が良いのか邦画が良いのか判らないし、現代の映画なのか昔の映画なのか判らない。
なので、洋画なのか邦画なのか、現代の映画なのか昔の映画なのか、こちらからも訊くことにしてる。
で、言われるのが・・・

とにかく泣ける映画は何?

じゃぁ、答えは簡単。
泣ける映画はいろいろ有るけど、一番に不朽の名作『自転車泥棒』をオススメしてる。
1948年のイタリア映画で監督は巨匠のヴィットリオ・デ・シーカ。
その『自転車泥棒』amazonプライム・ビデオで配信されてたので久しぶりに観た。
う~ん、やっぱり泣けた・・・。

って事で、今回は名作『自転車泥棒』の話を軽く書いてみようか。

 

 

この映画をはじめて観たのは高校生の頃、NHKで放送されたのを観たのが最初。
この時はあまりの衝撃で体が固まって動けなくなった(もちろん涙ボロボロ)
なんと言っても息子を演じてる子役の演技が鮮烈、父親を演じてる役者も息子への愛情を痛々しいほどに表現していて、高校生のオレには衝撃すぎた。
その夜は胸がドキドキして眠れなかった事を今でも憶えてるし、すぐにビデオを買ったのも懐かしい想い出(当時はDVDなんて無かった)
今回、久しぶりに観たわけだけど、やっぱり子役の演技は鮮烈だし、父親の表情も胸を揺さぶる。
って、この父親も息子も「この映画に出るまでは役者でも何でもなかった」という事実が凄い。この映画では職業俳優を使わずにまったくの素人を起用していて、父親役のランベルト・マジョラーニは失業した電気工、子役のエンツォ・スタヨーラは監督が街で見つけ出した子供。まったくの素人を起用して、これだけの名作を作り上げるんだから凄すぎる。

 

この映画、どんな映画なのか知らない人も多いだろうし(なにしろ1948年製作)、プライム・ビデオの紹介文から引用しておくと、

古今の映画史上のベスト・テンには必ず文句なしに選ばれる映画史上の傑作。ローマの職業紹介所に並ぶ長い列。失業者アントニオはポスター貼りの仕事にありついた。ただし自分の自転車でという条件。話を聞いた妻はベッド・カバーをはぎ取って質屋へ行き、交換で自転車を受け出す。一家に希望がさしこんだのもつかの間、ポスターを貼っている間に自転車を乗り逃げされた。泥棒は雑踏に消えて呆然と路上に立ちつくす。警察は相手にしてくれない。失望といらだち、6歳になる息子と自転車をさがし歩く。泥棒らしい男を見つけても証拠がなく、かえってその仲間に危害を加えられそうになる。絶望のどん底に親子は歩道に座りこむ。思いあまって他人の自転車を盗み、たちまち群衆にとり押さえられる。屈辱と後悔に暮れて息子の手をにぎると、息子がそっとにぎり返す。ラスト・シーンの親子の涙は観客の涙を誘う。デ・シーカは、敗戦国イタリアの現実を鋭く直視した。

第二次世界大戦後、敗戦の傷跡が色濃く残るローマ、人々はみな生活に追われて疲れた表情をしてる。
主人公のアントニオがやっと見つけた仕事には自転車が必要。
妻が質屋から受け出した自転車で意気揚々と仕事に向かうアントニオだけど、仕事中に自転車を盗まれてしまう。
息子と一緒に自転車を探し回るも見つかるわけもなく・・・。
だんだんと苛立ちがつのり焦るアントニオ、そんな父親を心配そうな眼差しで見つめる息子のブルーノ。
もうね、この辺りのシーンで胸が息苦しくなるほどの緊迫感。

 

犯人らしき男と話してた老人を問い詰めるアントニオだけど、ちょっとした不注意から老人を取り逃がしてまう。アントニオの不手際をなじる息子のブルーノの頬を思わず叩いてしまうアントニオ・・・。
自転車も見つからず、手がかりの老人にも逃げられ、息子にもいじけられたアントニオは半ばヤケクソな気分で息子を連れて高級レストランへ入る。
ここのシーンも忘れ難いんだけど、周りが豪華な食事をする中、アントニオ親子は周囲の目を気にしながら肩身の狭い食事をする。息子に自転車がどうしても必要な理由を言って聞かせるシーンは父親の焦りや怒り、現状への鬱屈した不安、そして息子への愛情が感じられる。

前日までインチキだと決めつけていた占い師を訪ねてみるも、何一つ有益な助言も得られずに街をトボトボと歩く二人。
そんな二人の前に自転車を盗んだ犯人が偶然にも姿を現した。
貧民街まで追いかけて警察官を呼ぶものの、証拠は何もなく、逆に貧民街の仲間から乱暴されそうになる始末(あまりの運の無さにヤクモキしてしまう)
街をあてもなくさまよう二人はサッカーの試合が行われてるスタジアムの前にきた。
駐輪場には大量の自転車が止められてる。
ふと目をそらすと人気のない道路に一台の自転車が・・・。
思いつめたアントニオは自転車を盗む事を決意するんだけど、やっぱり息子にはそんな姿を見せたくないんだな、金を渡して先に帰ってるように言う。
自転車を盗むもののすぐに見つかって追いかけられるアントニオ。
そんな父親の姿をバスに乗り遅れたブルーノも見つけて追いかける・・・。
取り押さえられた父親、必至で父親を守ろうとする息子。

もう、堪らん!(泣)

自転車の持ち主はブルーノの姿を見て警察には突き出さない事にし、父子は解放される。
トボトボと歩くアントニオの頬に涙が零れ、そんな父親を見たブルーノはアントニオの手を握る。手を繋いだ二人は街の中を歩いていく。
このラストシーンは何度観ても泣ける(今回も泣いた)
息子に自転車を盗む姿を見せないため金を渡して帰らせようとする父親の愛情、自転車を盗んだ父親が持ち主たちから警察に突き出されようとするのを涙を流しながら必死で守ろうとする息子、父親の涙を見て手を握る息子、息子の手を握り返す父親・・・。
あらためて思うけど、この映画は名作。
いや、名作って言葉でも足りないな。

超名作!

ビデオは持ってるけど、今回プライム・ビデオを観てDVDも欲しくなった。
まさに映画史に残る傑作。

子役が鮮烈な印象を残した映画といえば、これまた古いけど『禁じられた遊び』『ホーム・アローン』が思い出されるけど、日本映画でも『砂の器』(加藤剛の1974年版)がかなり鮮烈だった。こちらはハンセン氏病を患う父親と息子の情愛を描いた名作。もちろん涙なしでは観られない。

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

1948年!
大昔の映画じゃないですか!

マサト
マサト

これは歴史に残る名作

バイト君
バイト君

これ、観るたびに泣いてるんですか?ww

マサト
マサト

子役の演技が凄いんだわ
素人なのに・・・

バイト君
バイト君

べた褒めww

マサト
マサト

派手なハリウッド映画も良いけど、たまにはこういう映画で心の洗濯をするのも良いぞ

バイト君
バイト君

心の洗濯の前に無精髭を剃ってきたらどうです?ww

マサト
マサト

・・・・・・

 

この『自転車泥棒』、70年以上も前の映画だけど今なお高い評価を得ている。

1999年:「オールタイム・ベスト100・外国映画編」(キネマ旬報)第17位
2009年:「オールタイム・ベスト映画遺産200 外国映画篇」(キネマ旬報)第19位
2010年:「史上最高の外国語映画100本」(英『エンパイア』誌)第4位

まだ観ていない人にはオススメの一本なので、ぜひハンカチを用意して観て欲しいと思ってる。

 

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コメント

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