オレが小学生の時だから、かなり前の事だけどテレビの洋画劇場で『暁の7人』って言う洋画が放送された事があったんだけどね。この映画の製作年は1975年、今から50年近く前の映画だけど、小学生だったオレはテレビで放送された吹替え版の『暁の7人』を観て衝撃を受けた。何しろ小学生の語彙だから難しい言葉で感想を言う事は出来なかったけど、とにかく・・・
凄い!
って思ったわけ。
有名な映画じゃないし(当時は『ジョーズ』とか『キングコング』なんて言う映画は有名だったww)、『暁の7人』なんて映画は聞いた事もないタイトルだ。もちろん『荒野の七人』は知ってたけど、こちらは『暁の7人』だww
知らない映画だし、何の期待もせずに観たんだけど、これが大正解。あの衝撃は今でも鮮明に覚えてるし、実際に翌日の学校でも映画を観た子の間で話題になってたぐらいだ。
この映画『暁の7人』、どんな映画かというと、第二次世界大戦中、プラハでのラインハルト・ハイドリヒ暗殺の実話を基にしたもの。
小学生のオレがハイドリヒ暗殺事件なんて知るわけもないし、ドイツがチェコを占領してたなんて事も知るわけない。そんな知識が無い小学生が観ても、強烈な衝撃を与える映画だった。
劇中のハラハラドキドキ感、教会に立てこもって水責めにされるラストシーン・・・どれも印象深い。この映画のDVD、以前は販売されていたようだけど今はオークションぐらいでしか見かけない(もちろん欲しい)。
今回の『ハイドリヒを撃て!』もラインハルト・ハイドリヒ暗殺を描いた映画。日本人には馴染みの薄い事件だけど、ヨーロッパの方じゃ有名な事件だしこの映画ではどんな風に描かれてるんだろうか・・・。
って事で、今回は『ハイドリヒを撃て!』を観ての感想を書いてみようか。
この『ハイドリヒを撃て!』だけど、こういう映画がある事も知らなかった。
先日の事だけど、いつものようにAmazonプライム・ビデオを漁ってて偶然見つけたってわけ。
どんな映画なのか、Amazonに書かれてる作品紹介を読んでみるとこんな記述が書かれていたぞ。
イギリス政府とチェコスロバキアの亡命政府の指令を受け、二人の軍人ヨゼフ・ガブチーク(キリアン・マーフィー)とヤン・クビシュ(ジェイミー・ドーナン)がチェコに潜入。二人はチェコ国内でレジスタンスの協力を得てハイドリヒを狙撃する機会をうかがっていた。愛する女性との幸せな生活を夢に見て心が揺れ動きながらも、祖国のために、平和のためにハイドリヒと戦うことを誓う。しかしそれが壮絶な悲劇の始まりであった。
この紹介文を読んですぐに気が付いたけど、扱ってる事件は『暁の7人』と同じ。もちろんハイドリヒ暗殺事件だ。『暁の7人』のDVDを探し回ってるオレとしては、似たような映画が作られているなら観てみたい。
どんな映画なんだろうか・・・
さっそく視聴開始した。
これね、映画の冒頭から惹き込まれる。
こういう文章が画面に流されるんだけど、期待感が膨らむ文章だ。
1938年5月 ミュンヘン
英仏独伊の小脳が会談
ヒトラーは軍事力で脅し
チェコ周辺地域の譲渡を求めた
チェコは同盟国に見放され
戦わずして ドイツに占領された
1年後 ヒトラーがポーランドに侵攻し
第二次世界大戦が勃発
チェコの軍需工場はドイツの重要拠点
しかし抵抗組織の妨害を受け
ヒトラーは彼らの抹殺を
親衛隊大将に命じた
その男は
ラインハルト・ハイドリヒ
残忍な方法で殺害を続けたため
“プラハの虐殺者”と呼ばれる
実話に基づく映画
こんな文章を映画の冒頭に見せられたら期待でワクワクするだろ。
で、結論から先に書くけど、
期待を裏切らない映画!
何といっても実話だからな。
作り物の話と違って、ストーリーに重みがある。
チェコに侵入するシーン、レジスタンスとの接触、計画の立案・・・観ていてハラハラする場面の連続だ。そこへチョコ人との恋も絡んだりするし、よく出来てる映画なのは間違いない。
いよいよハイドリヒの暗殺、そして逃走、仲間の裏切り、追い詰められる主人公たち・・・。
うん、観ていて退屈しないし、オレの中の評価でも珍しく☆4個以上なんだけど、ちょっと言いたい事がある。
何を言いたいかというと、
この映画・・・
『暁の7人』とまるっきり同じ!ww
チェコ人の女性との恋が絡むのもそうだし、仲間の裏切りで追い詰められる様子も同じ。ラストで教会に立てこもって水責めにされて自ら命を絶つことも同じ・・・。
もうね、『暁の7人』のリメイクと言ってもよいレベルww
まぁ、扱ってる事件は実話なんだし、実話をネジ曲げるわけにもいかないだろうから、ある程度は似て来るかもしれないけど、う~ん、あまりにも似すぎてる感なんだよなぁ。
この映画が面白い事には変わりないんだけどね。
この映画のストーリーをwikiから引用して紹介すると、
1941年12月、チェコスロバキア亡命政府から、スロバキア人のヨゼフ・ガブチークとチェコ人のヤン・クビシュがナチス占領下の祖国に落下傘で降下し、ヨゼフは負傷する。二人は接触相手に裏切られ、トラックを盗んでプラハに向かう。
プラハでヨゼフは獣医に治療を受け、レジスタンスのヤン・ゼレンカ=ハイスキー に会う。二人はチェコスロバキアを占領するナチスのトップであるラインハルト・ハイドリヒを暗殺するエンスラポイド作戦を実行する指令を受ける。彼らは二人の女性-レンカ・ファフコヴァーとマリー・コヴァルニコヴァー -をはじめとする人々の助けを得て、ハイドリヒが車で出勤するところを待ち伏せする計画を立てる。ハイドリヒがパリに翌々日転任することを知り、1942年5月27日に実行する。
襲撃の瞬間、ヨゼフの機関銃は故障するが、ヤンの手榴弾でハイドリヒは負傷する。二人は逃げるが、ナチスはチェコ市民に報復する。レンカは逃げるところを殺され、レジスタンスのカレルはナチスに寝返って二人をかくまっていた家族を教える。二人は仲間たちと教会に隠れる。ハイドリヒは死に、ナチスは報復にリディツェ村の16才以上の男性を皆殺しにし、女性と子供たちは収容所に送る。
二人をかくまった家族はゲシュタポに襲われ、母は青酸カリで自殺し、息子は拷問に耐えかねて二人が隠れた教会を漏らす。ナチスは教会に部隊を送り込み、激しい銃撃戦の末に二人を含むレジスタンスは全滅する。
なかなか強烈なストーリーの流れだけど、↑にも書いた通り、このストーリーって・・・
『暁の7人』と同じ流れ!
じゃぁ、どちらの映画の方が好み化と言うと、小学生の時に衝撃を受けた分だけ『暁の7人』の方が好み。こちらは大好きな俳優ティモシー・ボトムズが主人公を演じてるし、最後の最後、仲間と抱き合って頭に銃口を当てるシーンは寒気がするほどの名演だろ。
それに比べると『ハイドリヒを撃て!』の方は知ってる俳優が一人も居ないし、寒気がするほどの演技とまでは言えない。
水責めにされた教会、そこで水面に浮かぶ死体・・・ってのがこの映画のラストシーンなんだけど、エンドロールではこういう文章が流される。
7名のパラシュート隊員は
6時間 教会に立てこもった
ハイドリヒ暗殺の報復として
親衛隊に殺害された市民は
推定で5000人を超える
“ユダヤ人問題の最終解決”の
立案者として
ハイドリヒは欧州で
ユダヤ人の根絶を推進
戦時中に暗殺された中で
最高位のナチス党員であった
市民に対する
ナチスの壮絶な報復を受け
英首相チャーチルは
ミュンヘン協定の無効を宣言
自由のために戦ったチェコを
重要な同盟国と認めた
これ、実話だから観る価値がある。
あいにく『暁の7人』の衝撃が強烈だったから、同じ事件を扱ってる映画はどうしても比べてしまうし、その点はこの映画の不幸かもしれないけど、観ておいて損はない映画なのはたしかだ。
この7人が立てこもった教会、今も実際に残されてるようだけど、どんな所なのか自分の目で見てみたい・・・。
いつものバイト君の下書きチェック

これは面白そうですね

確実に面白いぞ
なにしろ実話だからな^^

そのくせ何で☆が4個なんですか?

タイトルが気に入らない!

・・・・・・

この腐った邦題は何だ!?
普通に原題のままで良いだろ~が!

・・・・・・
この映画の原題は『Anthropoid』。
ハイドリヒ暗殺計画の作戦名をタイトルにしてるんだけど、この原題の方がよっぽど良い。
邦題の『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』って何だよ・・・。
映画の中身は重厚なのに、邦題だけ見れば安っぽい怪獣映画みたいだ。
もっとも原題のAnthropoidってのは、日本語にすると「類人猿」って意味だけどなww
まぁ、そういう作戦名だったんだから、類人猿だろうとチンパンジーだろうと、そのままタイトルにして欲しい。
そうそう、『暁の7人』で超絶演技を披露したティモシー・ボトムズだけど、この人は良い映画にたくさん出てるぞ。
オススメなのは『ジョニーは戦場へ行った』。
ものすごく怖い映画だけど、いろいろ考えさせられる超名作なので観た事の無い人は是非とも観て欲しい映画。






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