今こそ観るべき映画『西部戦線異状なし』/戦争は何をもたらすのかを問いかける歴史的名作!って話

ロシア軍がウクライナに侵攻して以来、テレビも新聞も連日ウクライナ情勢を報道してる。
世界中がウクライナ危機(もはや戦争と言っても良いけど)を注視してるし、この先、どんな展開になるのかもわからないけど、こういう時こそ観るべき映画があるんじゃないかと思ってる。
うちに通ってる子にも機会があれば観るように云ったけど、1930年のアメリカ映画『西部戦線異状なし』はいろいろ考えさせられる歴史的傑作(リメイクされたものは別)
1930年っていうとほとんど100年前の映画。当然だけど白黒映画。
第3回アカデミー作品賞を受賞してる戦争映画が現代に問いかけるものとは・・・。

って事で、今回は戦争映画の金字塔ともいうべき『西部戦線異状なし』の話を簡単に書いてみようか。

 

 

アカデミー賞を受賞するような映画だから反戦映画と思う人も居るだろうけど、やたらと反戦をメッセージにするような、そこら辺の安易に作られた映画とは全然違う。
もちろん戦争映画なんだけど、この映画は戦争映画の金字塔というか原点というか・・・。
この映画には観る人が様々な受け止め方が出来るような懐の深さがある。お涙頂戴・反戦一辺倒をゴリゴリ押し付けてくるような嫌らしさがない(それ故にいろいろ考えさせられる)
映画の冒頭でこんな文章が映されるんだけど、ここにこの映画の立ち位置がよく表れてるような気がする。

This story is neither an accusation nor a confession, and least of all an adventure, for death is not an adventure to those who stand face to face with it. It will try simply to tell of a generation of men who, even though they may have escaped its shells, were destroyed by the war…

書かれてる内容は、

この物語は誰かを非難したり糾弾するものではない、ましてや冒険物語などではない。戦場で死と向き合う人間にとって、人生は冒険などではありえない。これは国のために従軍し、たとえ砲弾からは逃れられても、戦争によって身も心も破壊されてしまう若者たちの悲惨な運命を描いた話である。

第一次世界大戦中、ドイツの学校で愛国心を熱心に説く教師の口車にのって軍隊へ入隊した若者が戦争と向き合う姿を淡々と描いてるだけ。
この映画で何を感じるかはそれぞれの自由。

 

語り継がれてる映画だけに有名なシーン、印象に残るシーンも多い。
入隊したての主人公たちに古株の兵士が「お前たち志願兵の1人を連れ出して、何で学校をやめて軍隊に入ったのか聞きたくなるぜ」と毒づく場面、志願兵たちが戦争が始まった原因を話してる時、古株の兵士が「王様とか将軍を連れてきて裸にする。そして、奴らにこん棒を持たせて戦わせればいい」と言う場面、休暇で故郷に帰ってきた主人公が地図を広げて作戦の良し悪しを話してる父親たちに投げかける「戦争はここから見るのとは違うんです」という場面・・・いくつも思い浮かぶ。
これね、現代のテレビのワイドショーでも同じような光景が繰り広げられてると思ってる。戦争を知らないお笑いタレントなんかが文化人気取りでウクライナ情勢についてああでもないこうでもないと話す姿は、主人公の父親たちが地図を広げて喧々諤々の議論をしてる姿と同じ(まぁ、そういうワイドショーを喜ぶ層が居るから出演させてるんだろうけど)
一番有名なのはやっぱりラストシーン。
塹壕の中に身を潜める主人公の耳にハーモニカの音が聴こえて来た。そこへ一羽の蝶が飛んできて羽を休める・・・。そっと手を伸ばす主人公・・・。

この映画を初めて観たのはNHKで放送された時だけど(たしかオレは小学生)、このラストシーンには何とも言えない気分にさせられた記憶がある。
子供だったんで第一次世界大戦とか独仏の塹壕戦とか細かな部分は解るわけもないけど、子供心に思ったのは・・・

何か凄い映画!

意味が解らないなりに、凄い映画ってのは伝わってきた。
その後、すぐにレマルクの原作も読んだけど、こちらも戦争文学の記念碑的作品(もちろん読む事を強くオススメww)

 

今回、ロシアのウクライナ侵攻があって、戦争って何なんやろ?って改めて考えてみたくてamazonプライム・ビデオ『西部戦線異状なし』を観た。
プライム・ビデオの紹介欄にはこんな文章が書かれてる。

欧州大戦に於て西部戦線の戦いたけなわなる頃。ドイツのある町の学校の窓下を戦場に向かう大部隊が通過しつつある。そこの教室では老教師カントレックが生徒達に愛国主義を吹き込んでいる。進軍の雑音と教師の弁舌に若い生徒達の血潮は燃えて彼らは直ちに出征を志願する。

2時間を超える映画のほんの冒頭部分だけが書かれてるけど、この映画は使いものにならない新兵から一人前の兵士へと成長する「成長物語」と見る事もできるし、愛国心とは何かを問う物語とも観る事ができる。もちろん反戦映画として観る事もできる。
現在のような世界的な危機が起きてる時にこそ観ておくべき映画と思ってる。

そうそう、この映画は第一次世界大戦の独仏戦を描いてるけど製作はアメリカ。会話もフランス人役の他はすべて英語。
アメリカ製作の映画なのに「アメリカ万歳」みたいな内容じゃないのも好感(そもそもアメリカ人役が出ていない)

 

 

いつものバイト君の下書きチェック

バイト君
バイト君

これは名前だけ知ってる映画でしたww

マサト
マサト

本も読んでないのか?

バイト君
バイト君

読んでないですよ

マサト
マサト

・・・・・・

バイト君
バイト君

で、久々に観てマサトさんはこの映画をどう受け止めたんです?
反戦映画?ww

マサト
マサト

ちゃうわ!ww
文章でも書いたけど・・・

バイト君
バイト君

なんて?

マサト
マサト

戦争を知らないお笑いタレントなんかが文化人気取りでウクライナ情勢についてああでもないこうでもないと話す姿は醜いww

バイト君
バイト君

・・・・・・

 

そういえば「本当の戦争 すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄」って本があるんだけど、この本によると3400年前から今日まで、世界で戦争がなく平和だった期間はわずか268年しか無いらしい。
ちなみに全く関係ない話だけど、高校生の頃に好きだったイギリスのロックバンド、ストラングラーズ(The Stranglers)のアルバム『Black and White』の中に東部戦線異状なし』という曲が収録されてる。もちろん『西部戦線異状なし』とは何の関係もないww

 

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